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Guest 北海道を訪れた今を輝くゲストのスペシャルインタビュー


OKAMOTO’S


邦楽ロックの超新星、突如現るー!その衝撃的なデビュー以降、約1年半という短期間に3枚ものアルバムをリリースし、全国ツアーや大型フェスなど年間100本を超えるライブを行い、また海外での活動も精力的に行うなど、音楽シーンを賑わせ続けてきた“OKAMOTO’S”。そして、10ヶ月振りとなる待望の両A面シングル『マジメになったら涙が出るぜ / 青い天国』が万を持してリリース…!時に苦悩し、迷いながらも、音楽への揺るぎない愛を胸に、彼らはロックスターとなるべく次のステージへと駆け上がる…!





インタビュー(July,2012)
オカモトショウ / “OKAMOTO’S”(Vo)
オカモトレイジ / “OKAMOTO’S”(Dr)



>まずは北海道での印象に残っている出来事から聞かせてください。

レイジ:北海道に来る時はわりと時間に余裕があって、遊べる時間も多いんですよね。ツアーの流れだと機材を全部ワゴンに載せて、青森からフェリーに乗って来ているんですけど、船に長時間乗る機会なんてあまり無いので逆に新鮮ですね。ずっと携帯は圏外ですし。
ショウ:フェリーだとどうしても時間がかかるし、ギリギリでは来られないので、時間ができるお陰で狸小路やススキノに行ったり、クラブへ行ったりもしました。
レイジ:狸小路の中を巡って『まんだらけ』に行ったりとか、あと『FRESH AIR』という中古レコード屋で買ったレコードバックをずっと使っていますね。なかなか無い12インチの木箱がすごく安く売られていて、メンバーみんなで買ったんですけど、かなり良い買い物ができました。あと、バレンタインデーのタイミングで“黒猫チェルシー”と一緒にライブで来たことがあって、ヴォーカルの大知君が「大和」と書かかれたボクサーパンツをプレゼントされていたのが印象に残っています。

>いや…それ、“OKAMOTO’S”のことじゃないですよね。
ショウ:あと、メンバーみんなでプリクラ撮りに行ったよね。
レイジ:ハマ君が北乃きいさんにそっくりなプリクラが撮れて。
ショウ:メンバーの中でも伝説的なネタになっちゃって(笑)。

>いや…それ、札幌だから撮れたわけじゃないですよね。
ショウ:一昨年に『JOIN ALIVE』へ出演させてもらったんですけど、それが俺達の“初”夏フェスだったんですね。しかも、『JOIN ALIVE』の記念すべき第1回目でもあったので、やっぱり特別な思い出として残っていますね。俺達の熱がオーディエンスに直に伝わっているのを感じました。北海道はいつも熱く盛り上がってくれるのですごく嬉しいです。この間、『BESSIE HALL』でワンマンをやらせてもらった時も盛り上がってくれて、階段からステージへ降りてく時のものすごい大きな声援はよく覚えています。まだ札幌以外ではライブをやったことが無いので、もっといろんな土地も周ってみたいです。

>2012年第一弾となる両A面の『マジメになったら涙が出るぜ / 青い天国』は、10ヶ月ぶりと久しぶりのリリースとなりました。
ショウ:一昨年『10’S』という1stアルバムをリリースして、その時に1年くらいでアルバムを3枚作ってやろうという無謀な計画を立てて走り始めたんですけど、ライブも年間100本やって、海外での活動もしながら、1年半くらいで2nd『オカモトズに夢中』と3rd『欲望』もリリースして、それで野望がひとつ達成されたわけですよ。それで次はどうしようかを考えた時に、抜群の曲を作りたい!という想いがあって、それが俺達を次の次元へと運んでくれる気がしたんです。それで、ライブの本数を減らしながら制作に集中して、人前に出る機会が減ってしまったわけなんですけど、今回初めて声明文を出した理由として、その間に俺達が一体何をしていたのかを知ってもらいたいという意向もあったんですよね。

>デビューからの精力的な活動を経て、1周したというか、今時点で全てをやりきったという気持ちだったのでしょうか。
ショウ:本当にそうですね。最初から初期3部作を作りたいというのは考えながら活動していたので、最初の野望を達成したというか、初期としてひと区切りしたという感じですね。“The Rolling Stones”みたいに50年とか続いたら、今も初期だという人もいるかもしれないですけど、今の気持ちとしては次!という気持ちでやっています。
レイジ:次の一歩にならないとだよね。
ショウ:今回のリリースは10ヶ月ぶりなんですけど、なかなか一筋縄ではいかなくて、100曲くらいデモを作った中から40曲くらいアレンジしてみたんですけど、どれも自分達の中でそれなりで納得がいかなかったんですよね。それを打破するためにはどうしたらいいんだろう?というのがすごく悩ましかったですね。すごいものを作らないといけない!というプレッシャーもある中で、歌詞を書きながら俺は何を歌いたいんだろう?という悩みを抱えていたんですけど、正直言うとはじめはそれを自分自身で認めるのも、作詞家にお願いすることも嫌だったんですよね。ミュージシャンとしてヴォーカリストとして歌いたいことが無いなんてことはあってはいけないと思っていたし、俺はこんなに決心してやっているのに!と認めたくなかったんですけど、でも一方でどこかに認めざるをえない気持ちもあったり、そんな葛藤の中でどんどん泥沼にハマっていった感じでした。ミーティングとかも結構やったんですけど、柄にもなく4人とも静かに黙り込んで、空調の音の方が会議室に響いていたりして、そんなバンドだっけ…?みたいな(笑)。今まで考えもしなかったバンドの原点について考える時間でもありましたね。

>確かに会議室で曲を作るイメージは無いですね。
ショウ:基本的に良いミュージシャンが4人集まったら、その場で起こるミラクルで、楽器を鳴らしたらそれで良い曲できるはずなんですよ。自分のバンドだったらなおさら、ど真ん中で勝負すれば良いと思っていたんですけど、続けていくうちに自分の中から吐き出せるものとか衝動みたいなものだけで作れる容量みたいなものをどんどん超えていくわけですよ。その中でも工夫しながらなんとか作り続けてきたんですけど、ある時点で…それが『欲望』を作っている時だったんですけど、そういう作り方だけでは超えられない壁というか、その延長線上のものしか生まれなくなってきたんですよね。今まで自然と進化してこられたものが、次のステップへ辿り着けなくなってしまった壁にぶつかったんです。長く続けているミュージシャンは誰もが同じだと思うんですけど、衝動だけで作り続けることができなくなってくるんですよね。俺達は次にこうなるんだ!と選んでいく必要があると考えて会議をしてみたりもしたんですけど、結局悩み過ぎてもいけないというのがわかりました。今回は良い曲作ろうということでたっぷり時間を与えたせいもあって、まだ明日も悩めるよね、明後日も悩めるよねと先延ばしして、でも結局それだと決まらないままだったので、悩んだってしょうがないなと思いました。

>アウトプットばかりして枯渇しまう中で、経験や刺激などのインプットが必要となって、それが今回の共作につながったのかもしれませんね。
ショウ:最初は共作に対して嫌だった部分があって、嫌というか単なる食わず嫌いなんですけど、想像がつかなかったんですよね。今まで考えたことも無かったし、全く未知だったんですよね。
レイジ:時期でいうと『青い天国』は今年の初めくらいに出来た曲で、“Base Ball Bear”の小出君と一緒に作業をしたんですけど、小出君は“Base Ball Bear”自体が事務所の先輩バンドでもあって、ライブも一緒に観に行ったことあるし、個人的にそれぞれ親交がある仲なんですよね。前に広島で同じイベントに出た時に、みんなで夜の街に繰り出して、『ROUND1』へ行ってプリクラを撮ったり。

>とりあえずプリクラは撮るんですね…(笑)。
ショウ:レイジが基本的にプリクラ好きですね。
レイジ:撮るという行為が楽しいだけで、誰も持って帰らないんですよ。だからとりあえず俺が持って帰って、部屋にいっぱい保管してあります。いつか何かで発表しようと思っているんですけど。でも、そのくらい俺達も“こいちゃん”と呼ぶくらい小出君と仲が良くて、前から先輩としてたまにアドバイスもしてくれていて、それで今回『青い天国』という曲の歌詞を一緒に書いたんですけど、それがすごくハマりました。

>『青い天国』は「まさかのやれちゃう感じ」という出だしのフレーズが今作をとても象徴しています。
ショウ:それこそまさに共作のフレーズで、いろいろなメロがミソになるから、そのワードが半端ないのを考えようということでみんなでホワイトボードに書いて、「なんだか超いい感じ」とか、いろんなワードを出し合ったのを組み合わせて、「まさかの―」ときたら「良い感じ」だけどちょっとパンチ足りないから、どれだけチャラくなれるかみたいな悪ノリで、半分ギャグだったんですけど、俺達4人だけだと「さすがにちょっとチャラ過ぎるかな…?」みたいな真面目さが出てしまっていたんですけど、それが小出君がいたおかげで「“OKAMOTO’S”だったら全然歌って様になると思うし、格好良いよ!」って言ってくれて、そのまま歌っても良いことに気がつかされたんです。

>これまでもきっとブレーキをかけていたんでしょうね。
ショウ:そうですね。ユーモアは全然ある4人なんですけど、やっぱりロックバンドだし、格好づけがちなんですよね。普段はふざけたことばかり言ってるのに、それがあまりクリエイティブな方向に反映してなかったんですよね。

>これまでの作品の中でもノリやすい曲になっています。
ショウ:四つ打ちに対する踊りやすさには興味があったし、いろんなバンドが四つ打ちの曲を演奏すると盛り上がり方が違うという印象があって、いつか作りたいと考えていたんですけど、今回はダンスミュージックを作ろうと挑戦しました。でも、いざ出来上がってみたら、いわゆる四つ打ちビートとはちょっと違う感じになった気がします。四つ打っていないところが多いみたいな…(笑)。でも、このミックス具合というか、俺達のフェイルターを通っている感じはなかなか格好良いし、個性的になったんじゃないかと思います。

>『マジメになったら涙が出るぜ』は、これは内面に籠ってるものがありながら、鬱屈したものを吐き出して発散したい想いが感じられます。
ショウ:それこそ自分達が自分に対して歌っているんですよね。今回、いしわたりさんとは初対面だったんでけど、作詞するにあたってメンバー全員で歌詞書いてみることになったんです。全員が普段から書くわけではないので、それでどういうタイプの詩を書くのかとか、人間性を図るためなのかわからないですけど、書いてみて結局ボツになったんですけど…(笑)。やっぱり小池君にも言われたんですけど、俺達すごい真面目なんですよね。歌詞を書くと「なんでこんな真面目な歌詞書くの?俺はこんなに真面目な歌詞書いたことないよ!」と言われるくらい、世間が思い描いているイメージと俺達の実際の真面目さとが釣り合ってなかったんですよね。それを打破するために、俺達が自分自身に対して歌うことで、今まで作った曲の中で一番自分達に突き刺さる曲になりました。

>どこか切なさややりきれなさも感じられます。
レイジ:曲も歌詞も「切なさ」は狙っていましたね。今回第三者とやってみて、「真面目だね」という言葉がまさにですけど、自分の真面目さというのは自分ではやっぱりわからないわけですよね。最近いろんな方からインタビューを受ける中で、「自分のどんなところが真面目だと思いますか?」と尋ねられた時に、「俺の真面目なところは…」と考えているのがもうすでに真面目なんです。「もっとバカやっちゃえばいいのに!」という小出君の言葉だったり、「もっと素直な言葉で言っちゃえばいいのに!」といういしわたりさんの言葉もあって、今回はより自分達らしい歌詞が書けて、素直な言葉で書くと自分達にも突き刺さるし、きっと聴いてくれている人にも突き刺さると思うんです。これは自分の曲だと誇れる、初めてそういう曲が出来ました。

>真面目なのは決して悪いことではないですしね。
ショウ:俺もそう思います。ただ、真面目であることはいけないとは全く思わないですけど、真面目な上につまらないヤツにはなりたくないんです。メンバー全員が音楽に対する真面目さは誰にも負けないし、音楽に対する愛はすごく深いんですよね。「趣味はなんですか?」と尋ねられても、「釣りをしてます」とか「山に登ってます」とか無いですし、洋服を見るのが好きなくらいで、本当に他に何も無いんですよ。それぞれの愛情とか表現の仕方とかで変わったりはしますけど。これからも音楽に対する愛は絶対揺らがないし、持っているスピリットをそのまま突き通していきますけど、変に力んでしまって格好つけているのをもう少し崩していけると良いですね。

>先に向かって走っているというか、活動を長く見据えられているのを感じます。
ショウ:「バンドは解散するものだ」くらいに言う人もいますけど、俺は一生続けていきたいと思ってますね。実際に俺達は90年生まれで後追いなので、“THE BEATLES”も解散しているし、カート・コバーンも亡くなっているし、もう観ることのできない伝説のバンドだらけなんですよ。でも、“The Rolling Stones”の『Shine a Light』という映画を観て、基本的にはものすごく年配なんですけど、あのエネルギーはそれを感じさせないものがあって、続けているバンドにしか出せない格好良さだと思うんですけど、そういうものを俺達も出していきたいんですよね。続けた者勝ちだと思うし、そこはすごく目標として解散したくないし、それまでは死ねないですね(笑)。

>今作も先を見越しての転機となった作品なのかもしれませんね。
ショウ:まだ見えていない部分もたくさんありますけど、でも今まで以上に先も見えるようになりました。本当に少しの意識の差ですけど、今後バンドを転がしていくにあたっての第一歩として、今回作った自分達のテーマをどう具体的に形にしていくのかをすごく考えています。次のレコーディングも始まっていて、もう一曲録れているんですけど、それがマジでヤバいんです!“メガヒット”を出したいですね!

>やはり「売れたい!」という想いはあるんですか。
ショウ:俺はすごくあります。野望として「世界制覇」がある以上、それが今の俺達の次なる一歩の原動力にもなっていますし、“メガヒット”が無いと説得力も無い気がするんですよね。この間、みんなでノエル・ギャラガーのライヴを武道館に観に行ったんですけど、アンコールで“Oasis”の曲をやったんですよ。オーディエンスがみんなで合唱すると会場の雰囲気が一変して、武道館がこんなに小さく感じるんだというくらい小さいライヴハウスで観ているような感覚になったんですけど、「世界制覇」している曲というのはこれなんだ!って思いました。“ミリオンセラー”は“ミリオン”でないと嘘になっちゃいますけど、「全米が泣いた!」と同じで“メガヒット”だと言った者勝ちじゃないですか。みんなが知ってる曲、そういう意味ではすごく売れたいです。“MNGOL800”もイントロでダイブが始まって、全然聴いてないのに盛り上がっているんですよね…(笑)。レイジが聴かせない曲って例えていましたけど(笑)。
レイジ:聴いていないし、一緒に歌うみたいな、俺の曲みたいなテンションで陶酔しちゃう人がいるじゃないですか、「キター!」みたいな。そういう聴かせないというのは、聴かなくてもわかっている曲だから、歌えるんですよね。ノエルもサビを全部歌っていないですからね。「お前らが歌えよ!」みたいな。歌わなくてもみんな歌ってるから全然成立しちゃうのは流石だなと思いました。
ショウ:それこそ一筋縄ではいかないと思っていますけど、自分達の中でも想像力は無限大でどんなことでもやれるし、それがどんどん俺達の栄養にもなっているので、“メガヒット”も近いと確信しています!


『マジメになったら涙が出るぜ / 青い天国』
BVCL-355 / ¥1,200(tax in)
進化を続けるOKAMOTO’S!注目のコボも実現した超強力両A面シングル!


OKAMOTO’S
メンバーはオカモトショウ(Vo)、オカモトコウキ(Gt)、ハマ・オカモト(Ba)、オカモトレイジ(Dr)。東京は新宿からやって来た4人組。全員が岡本太郎好きで、ラモーンズのように全員苗字はオカモト。そんな彼らのバンド名は“OKAMOTO’S”。2010年5月にメジャー1stアルバム『10’S』、同年11月に2ndアルバム『オカモトズに夢中』、2011年9月には3rdアルバム『欲望』の三部作をリリース。2012年7月、10ヶ月ぶりとなる両A面シングル『マジメになったら涙が出るぜ/青い天国』をリリース。
オフィシャルサイト http://www.okamotos.net



text Pilot Publishing / photograph Syouta Tanaka
July,2012




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