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《Special Contents》『macro』×《PILOT》 【「青森へ行こう!」<『青森県立美術館』編>】


 フリーマガジン『PILOT magazine』増刊号『cise』(2009年7月発刊)と、サロン『macro』のフリー冊子(2010年2月発刊)がコラボレーション!現代美術を積極的に取り入れながら、地方が抱える様々な問題と真っ正面から向き合い、新たな観光都市として再生を図る“青森”をテーマに、それぞれが自身の目で見、肌で触れ、心で感じた青森の魅力を紹介します。





Interview(March,2010)
shun / 『macro』

>研修旅行で訪れた青森での様子を旅行記としてまとめたフリー冊子を発刊されましたが、“趣味”と仰るわりに完成度がとても高いです。スタッフの素顔がかいま見れたり、ちょっとしたガイドとして役立ったりと、ショップの試みとしてはとても面白いですね。

 ありがとうございます。ここ数年になって国内の魅力を改めて見つめ直しているのですが、子どもを授かったことが大きな理由のひとつです。それまでは海外旅行が好きで頻繁に行っていたのですが、海外だと移動だけで1日分の時間がかかってしまいます。何かと小さな子供を連れて歩くには大変です(笑)。

>観光としては時間が限られてしまうので、移動という面では国内の方が様々な面でまわりやすいのかもしれません。研修旅行では今までどちらに行かれましたか?
 一番最初は直島に行って、それから金沢へ行って、あとは大阪にも行きました。その時は安藤忠雄氏が手掛けた建築巡りでした。店として行くとなるとある程度のあらすじだけ考えて、事前にスタッフにも各自で調べてもらうんですけど、それを集めてみんなでスケジュールを組み立てていくのがコミュニケーションにもなるし、後々、自分達にとってもプラスにもなると思います。

>日程の長短はあれど、旅は人を成長させてくれますし、そこで得た経験や刺激は、いつか自分自身へ反映されますよね。ところで、目的地はいつもどのように決められているのですか?
 きっかけとして建築から入っていくことが多いですね。例えば、直島の『アートサイト直島』だと、安藤忠雄の建築やクロード・モネの作品なども観ることができるし、目的がはっきりしているんですよね。目的が明確にひとつあると、それだけ抑えてしまえば、あとは各自で自由に過ごしています。事前に情報を得ていなくても、その土地の人との会話だったり、その土地の物を食べたり、新たな発見も大切にするようにしています。

>スケジュールや情報に縛られ過ぎないことで、得られるものもありますよね。ある美術館のスタッフさんが「大切なのは作品をすべて観ることではなく、何かを感じていただくことなんです。」と仰っていましたが、本当にその通りだと思います。
 実際に行って気づけたことは多いです。例えば、金沢は『21世紀美術館』世界的に注目を集めていますし、『兼六園』など歴史的な建造物も点在しているので、現代美術と歴史文化がとても良いバランスで調和していると思います。地元に根付いた雑貨店や地元の作家さんが作っている雑貨なども多く見かけました。直島や青森にしても、どこも街おこしがとても上手に見えました。

>近年、青森は現代美術が盛り上がっていて話題も多いです。今回、青森へ行かれた経緯について聞かせてください。
 4年前くらいに開催されていた奈良美智さんの「A to Z」を観に訪れたのがきっかけです。『青森県立美術館』が開館されてまだ間もなくて、プライベートで2度訪れていたのですが、2年くらい前に『十和田市現代美術館』が開館されたのもあって、スタッフをみんな連れていけたら良いなと考え始めて、昨年の6月に研修旅行として実現することができました。

>青森は就職率や労働環境が北海道以上に厳しいとも聞きますが、その中で現代美術を取り入れた試みが結果を出されているのは素晴らしいです。では、自身で感じられた青森の魅力について聞かせてください。
 青森は現代美術を積極的に取り入れているし、青森は歴史や文化も深く、見所が要所要所にあります。「A to Z」の時は弘前の商店街と連携しながら、商店街にアーティストの作品を展示されていて、地図を片手に順路を巡回していくイベントでしたが、アートを活用して現役で頑張っている商店街の活性化をさせる試みは、すごく刺激を受けました。

>観光スポット、名産や名物、いずれにしても札幌はコレという明確な個性がまだ無いような気がします。
 ある地方ではシャッター街をある期間だけアートの見せ場にしたりと、うまく活用しながら再生され、お互いに目的意識を持って活性化させようと挑まれていると思うのですが、観光客に混じって地元のおじいさん、おばあさんがよくわからずに来ていたり、さびれていく商店街にとっては賑やかになって嬉しいと思います。北海道もそういった新しい試みがもっとあるといいですね。

>北海道はそういった試みが少なく、情報も広く届いていない印象があります。昨年行われていた『幌内・布引アートプロジェクト』も面白い試みでした。歴史が浅いぶん、逆に現代美術が発展していく可能性のある土地だと思うのですが…。
 媒体にも取り上げられているような、世界的に著名な作家さんや最前線でやっている作家さんが関わってくれると変わるかもしれないですね。それが別に絵を書く作家だけでなくても、建築家でも料理人でもいいと思うんです。北海道出身だとなお良いのですが、それに続いてこれからの担い手となる若い作家さん達をうまく加えていって。

>北海道のイメージとして強いのは、やはり自然だと思います。北海道の自然をうまく生かせると良いですね。例えば、美唄の『アルテピアッツァ美唄』や音威子府の『アトリエ3モア』は素晴らしかったです。
 アートと自然をうまく融合させることができたら面白いですよね。北海道や東北とか食が豊かな土地は喜ばれることが多いと思います。適当に入っても美味しいから(笑)。北海道は地図上でもわかりやすいし、自然も豊かで、食も美味しいし、何かを始める土壌としては良いですよね。多くの人はテレビや雑誌とか媒体から興味を持ってもらえたりすると思うので、きっかけはきっと単純なことだったりするんですけどね。


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『青森県立美術館』
access 青森市安田字近野185
telephone 017-783-3000
open 10月1日〜5月31日 9:30〜17:00(入館は16:30まで)/6月1日〜9月30日 9:00〜18:00(入館は17:30まで)
holiday 毎月第2・第4月曜日(この日が祝日の場合は、その翌日)、年末12月27日〜12月31日
system 一般 500円/大学生・高校生 300円
url http://www.aomori-museum.jp

青森県の個性豊かな芸術風土を世界に向けて発信することを目的として、2006年に開館。建築家・青木淳による設計は、隣接する三内丸山遺跡と一体化したイメージのデザイン。シャガールのバレエ「アレコ」の舞台背景画3点を常設展示しているほか、棟方志功をはじめ、奈良美智、成田亨など、青森出身作家の作品を中心とする豊富なコレクションを有している。また、奈良美智によるコミッションワーク『あおもり犬』と『八角堂』は4月1日から初雪までは無料で観覧することができる。

「真っ白のシンプルな外観に県美のシンボルマークがたくさん飾られていました。中に入るとどんどん迷路に迷い込むように矢印の順に作品へと案内されていきます!一番おすすめは入ってすぐの『アレコホール』。シャガールの巨大画が3面に飾られていてメルヘンな世界へ行けちゃいます。あと巨大な『青森犬』も近くで見て!」(LIKE / 『macro』staff)

「近づいてくると自然の中に白く直線的な物体が浮かびあがってきます。一見無機質に感じますが、中に入るとその印象はまったくなく、レンガを白く塗った壁や土の床のおかげで、あたたかみのある空間が広がっています。館内で使用されている文字やスタッフの制服も個性的でとことんかわいい美術館です。」(GAKKY / 『macro』staff)

「ここの美術館は一言でいうと、アートの迷路みたいな感じでした。絵や建物だけではなく、美術館全体がアートの世界でした。青森に行ったのなら、必ず行っておきたい場所です。」(Light / 『macro』staff)

「入るなりシャガールの「アレコ」の大きさに圧巻。変わった形の展示室なので順路もちょっと複雑。若干迷いました(笑)。ただ残念なのは八角堂へたどりつけなかったことです…。ミュージアムショップにはいろいろおもしろい物があってオススメです!」(kat’s / 『macro』staff)

「まず目が食いついたのがスタッフさんの制服。『spoon』や『装宛』でおなじみの、皆川明氏が手がけるテキスタイルブランド“ミナぺルホネン”!生地はさることながら、形も本当に可愛いです。これが制服だなんて、なんて幸せなお仕事だろう…。広い館内は、ざっくり見て廻っても軽く1時間30分くらいはかかるような内容の濃さ!ゆっくり見てまわるには時間が足りなくて、何度でも行きたくなる場所です。『アレコホール』にあるイスたちがまたオシャレ!当たるとオリジナルグッズがもらえるクジ付きのガチャガチャも楽しい♪」(kappe / 『macro』staff)

「シンプルでかわいい美術館。青木淳さんのデザイン良し、スタッフの制服は「ミナぺルホネン」。その上、奈良美智さんときたら、もう言うことはなしですよ。」(megumu / 『macro』staff)


Interview(July,2009)
千代谷 里香 / 『青森県立美術館』主査

>まずは美術館の紹介をお願いします。
 もともとは総合運動公園があって、この上に県立の体育館や弓道場があった場所なんです。その近くに野球場を作ろうと掘り返すと大きな縄文集落の遺跡が出てきて、それが『三内丸山遺跡』だったんです。当時、県立レベルで美術館を持たないところは青森県のほか、数えるほどしかなかったのですが、早く県立美術館を整備して欲しいという県民の声を背景に美術館建設の構想が進んでいきました。バブルもすでに一段落していたのですが、そんな厳しい時期に建てるからこそ今後を見据えた建物を作りたいと、当時、公共施設としては珍しい建築のコンペティションで決めたんです。国内外から何百点も集まったのですが、その中から青木淳さんがデザインした設計が最終的に採用になりました。そのコンセプトというのが、隣に隣接する『三内丸山遺跡』の発掘現場なんです。今も作業中のところを御覧になっていただくとわかるのですが、土を深く断ち切って掘り出すことで、層の違いや年代の違いがわかる調査の方法があるそうなんです。青木さんがその発掘現場を事前に御覧になってインスピレーションを受けたそうなのですが、『三内丸山遺跡』からこの場所にも発掘現場がつながっていて、堀が古代や歴史のイメージで、そこへ降ってきた真っ白い無機質な構造物が現在や未来のイメージ、その組み合わせをデザインとして表現されたのが、審査員の方にもすごく斬新だったようです。『あおもり犬』のある場所も、四角い黒いコンクリートの断ち切りの中にいるのですが、もともとは何も無くて、ただ光が差し込むエリアだったんですけれど、作っていく過程で、当館からあの空間に合う作品を作っていただきたいと奈良美智さんにお願いしました。作品を作ってその場所に置くのではなくて、半分建築の一部として青木さんと打ち合わせを重ねていく中で、ようやくあの作品の形に落ち着いたんです。胸から下、手足が地中に埋まっている状態なのですが、『あおもり犬』も発掘されたイメージなんだそうです。この場所自体が発掘現場で、掘り出されたのが『あおもり犬』なんです。だから、この作品も青木さんのコンセプトがなければ生まれなかった作品なんだろうなと思います。『三内丸山遺跡』に隣接しながら、縄文遺跡と現代的な構造物という相反する要素がうまく合わせられていて、どうしてこの場所に作られたのかが建物的にも体現されている美術館になっていると思います。

>他とは違う、独自のこだわりはありますか?
 今でこそ、それぞれの特色やコンセプトが無いと生き残れない時代なので当たり前なのですが、昔の美術館というのは作品を集めることがありきで、地方自治体として地元の作家も買えるから買っておいて、学芸員はそれに従って集めてきた作品を管理、保存して時々展示するみたいな感じでしたけれど、この館は何も無い状態から始めたからこそ、学芸員も何を集めるのか、きちんとコンセプトを考えて、コンセプトに添った形で作品を収集してきましたし、本当にゼロの状態から学芸員の人たちが作ってきているのでブレは無いように思います。具体的な準備がが始まったのが平成6年からですので、足掛け10何年の間、学芸員はずっと携わってきています。学芸員というのは美術館がすでに完成されていて、そこに採用される、というのが一般的だと思いますが、当館の学芸員はまだ構想段階から、青森県にふさわしい美術館を作るために準備を10年くらい掛けて2006年の開館を迎えています。そういう意味では、自分の勤めている場所に対する思い入れがすごく強い人達が、美術館の核になる部分を支えてくれていると思います。

>より楽しむための見所を教えてください。
 純粋に青木さんの建築意匠だけで一日いても飽きないくらいの空間だと思うので、建築そのものもぜひ楽しんで欲しいです。今はどこも著名な建築家の方が手掛けられるのが当たり前になっていますが、当館はコンペで選ぶというのも当時ではすごく珍しかったですし、その結果、公立の施設でこれだけ大胆な建築設計を採用して建物を建てたのは画期的なことだと思います。それが目新しさだけではなくて、いろんな方に来ていただいて、いろんな意見を言っていただくこともすごく大事だと思いますし、当初のコンセプトも最大限尊重しながら、それらを反映させつつ、我々も上手に使っていけるように努力していきたいですね。

>地方として地域性が反映されているところはありますか?
 私見になってしまうのですが、青森は、色の好みや価値観が地味なように感じます。以前、青森の県民が好む色の研究をしている方の本を読んだことがあるんですけれど、青森で共通項としてあるのが紺色とかネズミ色だとか、暗い色が多いんですよね。多分、気質にも反映されていると思うんですけれども、明るい色に対しての共通認識が薄いらしいんです。一方で、白を表す雪というのは県民にとって切っても切り離せないんですよね。雪が降る土地は他にもありますけれど、札幌は都心部がきちんとセントラルヒーティングが整備されて除雪もされていて、郊外に行くと大自然という、明確な役割があるんですけれど、青森は都市でも雪が降ると車が動かなくなるし、ちょっと先も見えなくなるし、雪下ろしもしなければいけないし…みたいな、自然と都市の境目が無いというか、要は田舎なんですけれど…(笑)、そういう意味で生活と雪が切り離せないんですよね。これまでこれだけ白を大胆に使う建物は、たぶん青森では建てなかったと思います。明るくて近代的すぎて。でも、ただ白で近代的というのではなく、外側の白というのが手積みのレンガに対して吹き付けをしているので、どこか柔らかい印象なんですよね。「白は雪の色なんですよ。」って青木さんが仰ったそうなのですが、雪の色と言われると改めて気づかされるというか、今まで表面として出てきていなかったけれど、青森という地域にはすごく馴染みのある色ということを再認識していただけると思います。

>アーティストとの印象に残るエピソードがあれば教えてください。
 昨年、外側の通路を通って『あおもり犬』を間近で見たり、直接触ったりできるようになったのが大きい変化としてあったのですが、もともとはそういう前提で作られた作品ではないんです。通路は係の者が清掃をしたりする管理用のスペースでしかなくて、人が入るというのを想定していなかったんですけれど、近くで見たいとか触りたいという要望がすごく多くて、そういう通路を作る方向で検討を重ねてようやくということもあって、初日はお客様で埋まっている混みようだったんです。その賑わいを奈良さんが見て、「ようやく作品として完成したのかな。」と嬉しそうに仰っていたそうです。作って終わりではなく、たくさんの人に作品が愛されて、もっと近くで見たいというリクエストがあり、ようやくみんなが『あおもり犬』の近くに行けるようになったという、奈良さん自身としても予想以上に嬉しい誤算だったようです。美術館の成長を長い目で見ていく中では大きな出来事ですし、今後もいろんな形のドラマが生まれてきてくれるのを楽しみにしています。

>地元・青森のアート・カルチャーについてどのように感じられていますか?
 私どもが受けている印象だと、地方から来られた方というのはすごく楽しみにして来られているんですけれど、地元の方にはまだ美術館に対して敷居が高いイメージを持っていて、暇だから行こうと気軽に来ていただけるまでいけていないように感じています。もう少し身近に感じてもらえるよう、近隣の美術館などと連携してフリーペーパーを発行したり、ワークショップを開催したりしながら、単なる施設としての『青森県立美術館』ではなく、その中で何をやっているのかというのを含めてPRをしています。

>これから取り組んでいきたいことがあれば聞かせてください。
 スタッフも非常に苦労しているところで、ただ展示をすることだけではなく、美術の活動をどう広めていくかというのは今後の大きな課題ですね。企画展で『十和田市現代美術館』と連携する話なども進んでいますが、すぐに表面的に見える形で効果が出るわけではないので、これから10年先、20年先を見据えながら、地道に続けていくしかありません。2010年に新幹線が通るということもあるので、これから青森まで伸びると新幹線の終点になる新青森駅が当館から近いんですよ。今はラーメン一杯食べるために福岡まで行く人もいる時代と考えると、本当に良い展覧会や活動をしていれば、興味のある人は来てくれると思うんです。観覧料をいただいていますので、その場その場で満足して帰っていただききたいんですけれど、長い目でも評価されるようなものをどれだけ作り出していけるかが課題ですね。

>現代美術についてどのようにとらえられていますか?
 みんなが知っている著名なアーティストの作品は誰が観ても無条件に素晴らしいのですが、現代美術はまだ評価も定まっていません。目に見えるものだけではありませんし、見たことをそのまま表現しているわけではありませんので、そういう意味では頭の体操だと思います。確かにとっかかりにくいかもしれませんが、ただ知識として得るのではなく、振り返って今の時代や自分を考えるツールとして自分の中に収めておくだけでも、ぜひ御覧になっていただく機会があるといいなと思います。自分で考える過程が必要な見方が求められていて、その作業を経ることで自分の中にあった何かが見えてきたり、自分でたぐり寄せて導きだしたという答えというのは、説明されるよりずっと自分の中に残っていくと思います。美術館から帰るまでに何かを理解しなければいけないわけでは決してありません。どこかにずっと引っかかって、何年後に思い返してようやくつながるような作品との出会いがあると嬉しいですね。

>音楽でも、映画でも、小説でも同じなのかもしれませんね。高校生の修学旅行で京都へ行っても、その良さがまだわからなかったりします。
 でも、人生を重ねて大人になった時に、もう一度行きたいと感じるのは心のどこかに残っていて、もう一度味わいたくなるんでしょうね。

>では最後に、青森の良いところを教えてください。
 良くも悪くも、素朴というか、都会ずれしていないというか、田舎なりの社会とか文化が成立していると思うんですよね。最先端の情報も入ってくるんですけれど、何百年前の伝統が続いていたり、そういうものに左右されない、どこか原始的なところがあるように感じます。棟方志功、太宰治、寺山修司とか青森出身で活躍されたアーティストは、本流のど真ん中にいるのではなく、あえて本流からは外れたところを進んだ上で突き抜けていると思うんです。学芸員の方がいろいろと議論しているんですけれど、「基本的に屈折しているよね。」って…(笑)。青森のことがすごく嫌いなんだけれど、好きみたいな。でも、捨てきれないでいるからこそ、「青森なんて…。」みたいな言い方をするんだと思います。


<フリー冊子のお問い合わせ>
salon『macro』
address 北海道札幌市中央区南3条西1丁目 タカラビル3F
open 月曜日〜金曜日11:00〜19:00/土曜日・日曜日11:00〜18:00
holiday 火曜日
telephone 011-271-0396
url http://www.macro-lab.com
※フリー冊子は『macro』ならびに札幌市内のカフェ、ショップ、ギャラリーなどで配布中です。この機会にぜひ、青森の旅にお役立ていただけければ幸いです。


text pilot publishing/photograph kei furuse(studio k2)
July,2009



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