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rei harakami
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《Interview》【rei harakami】


「『RSRFES』は一番居心地がいいフェスですね。だいたいいつも誰かと飲んだくれています。」(rei harakami)


インタビュー(August,2008)
rei harakami


>これまでに2002年、2005年、2006年と3度出演をされていますが、これまで『RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO(以下 RSRFES)』に出演された感想から聞かせてください。

 個人的には一番居心地がいいフェスですね。なんといってもケータリングが美味いし。有名なフェスでもケータリングは“?”のところがあるので、『RSRFES』では大体いつも誰かと飲んだくれていますね。

>『RSRFES』の魅力についてどのように感じていらっしゃいますか?
 平地っていうのはなかなか無いですよね。

>数ある国内のフェスでも、会場がここまで広大な平地というのは他に無いみたいですね。
 あとは、夏なのにそんなに暑くないとか、やっぱりジンギスカンが美味いとか…(笑)。まあ、本当にそんなことでもがなければ北海道へ行かせてもらうことなんて滅多にないですし、その他に何度か行ったこともあるんですけど、寒い時期にしか行ったことがないので、『RSRFES』ではいつも気持ちのいい時期に行けて嬉しいです。本当にあの時期しかないっていうじゃないですか。暑くもなく、寒くもない季節って。

>確かに、北海道の夏は2週間くらいしかありませんからね。『RSRFES』で印象に残る思い出があれば聞かせてください。
 なんぼでもありますよ。たぶん『RSRFES』だったと思うんですけど…、穴がどかんと空いて水たまりになった水場みたいなところがあって、そこへメガネを落としたことがあります。なんかの拍子で下を向いたらぼちゃんと落ちてしまったんですけど、どうにもならなくてあせりましたね。見つからなかったらどうしようと思って。まあ、落ち着いて考えてみると買い直せばいいんでしょうけど、でも、作るまでが大変だから…(笑)。結局、セキュリティの人にお願いして、なんとか取ってもらいましたけど。

>メガネの方はフェスでグラスコードがあると良いかもしれませんね…。『RSRFES』を通じた出会いも多いようですね。
 ありますよ。初めて出演させてもらった2002年の時は、《アサチャン》(ASA-CHANG&巡礼)と飲んだくれてましたけどね。ちょうど《UA》の『閃光』とかを作った年で、とりあえずずっと飲んでましたね。昼間とか天気が良かったから、ジンギスカンを囲んでいろんな人とずっと喋っていましたね。

>物静かでシャイなイメージが勝手にあったので意外です。他に会われた方はいらっしゃいますか?
 《yanokami》も初めて矢野(顕子)さんを肉眼で見たのは『RSRFES』ですね。まだお互い全然面識がなくて、もちろん僕は知っていたんですけど…遠目で矢野さんがセレブ感を漂わせながら歩いているのを、「あの人が…」みたいな感じで眺めていた思い出はありますね(笑)。その時、矢野さんは(忌野)清志郎さんとおふたりでやられていて、僕は《UA》とたまたま重なってしまったので外すわけにはいかなくて観に行けなかったんですけど、曲の間の中で矢野さんと清志郎さんがやられている音が遠くから聴こえてきて残念でした…。

>yanokamiのライブも、ちょうど夕暮れの時間帯でとても気持ちの良いライブでした。
 あれが《yanokami》を始めた、ほぼ初みたいな感じでしたね。まだアルバムも出していなかったですから。スタジオでの作業はずっとしていたんですけど。

>MCでのおふたりの掛け合いと雰囲気も新鮮でした。電話とメールで制作のやりとりをされているって話されていましたね。
 電話とメールですね。最近でもそうなんですけど…最後までそうでしたね(笑)。残念ながら一緒にやることはほとんどなかったですね。

>ブログを拝見すると、いつも2006年に出演された『RSRFES』の報告で更新がとまっているんですよね…(笑)。
 …あれ、2年前でしたっけ。すみません…とめちゃいました(笑)。結構疲れちゃって。なんか一番大変な時期でしたね。去年は《yanokami》に特化してソロは無しにしちゃったんですけど、去年いっぱいまで人生で一番動いていたので。

>近年はものすごく精力的に活動をされていますものね。北海道へは何度かいらっしゃているそうですが、どのような印象をお持ちですか?
 なんでしょう…、とりあえず広いっていうのがありますね。あとは、いつも遊びに来てくれている20代くらいの親戚がいます。でも、行ったことのないところだと「本当に聴いてくれている人がいるのかな…?」っていう単純な疑問はあるので、聴いてくれている人がいてくれていつもほっとしています。

>逆に首を長くして待っている人の方が多いですよ(笑)。北海道ではこれまでどちらでライブをされてきたんですか?
 札幌のクラブで一度やったのと、帯広のクラブで一度やりました。

>そういえば…なぜか札幌ではなく、帯広だけでライブをされたのを不思議に感じた記憶があります。
 たぶん、帯広を決めた後に札幌で…っていう話もあったんですけど、客が割れるっていうことでやめました。観たい人はわざわざ帯広まででも来てくれるだろうっていうことで。

>札幌から帯広なら、時間的には東京へ行くのと変わらないかもしれませんけど…(笑)。
 なんでかと言われたらオレも困るんですけど…(笑)、たまたま条件とかタイミングがあったんでしょうけど。でも、行ったことのない所ヘは条件が合えば、なるべく行くようにはしていますね。

>帯広ではどんな思い出がありますか?
 前乗りして行ったので、前日に酔っぱらってベロンベロンになってしまったんですけど…。でも、すごい美味しいところへ連れていってもらって、食べ物はやっぱり美味しかったですね。

>お酒は結構飲まれるんですか?
 飲み出したら止まらないですね。最近は抑えていますけど。

>『RSRFES』は今年は10回目の開催を迎えますが、harakamiさんの10年前というと…?
 実をいうと僕も10周年なんですよ。まだまだペーペーですけど。今年は特に目立った活動はしてないし、地味に済まそうと思っています…(笑)。1998年に一応デビューしたんですけど、でも全然売れていなかったんですよ。ちょうどCDを出して見事に鳴かず飛ばずな感じで、ほとんどの人にまったく相手にされない感じですね。黙殺されていましたから。雑誌のレビューでは「海外でも話題の…」とか書かれてあったりしたんですけど、「なんで知ってるんだろう?オレも知らないのに…」みたいな(笑)。いい加減なもんだなあ…って思ってました。

>10年という歳月を経て、何か変化はありましたか?
 もちろんありますし、ましてや『RSRFES』へ呼んでいただけるなんて思ってもいませんでしたから。10年前っていうとむしろ音を作る方に専念していて、ライブライブをどうやるかなんて考えていませんでしたし。アルバムが一枚やっと出て、本当に売っていて自分でも驚いているくらいですよ。だから、状況的にはまったく素人でしたね。

>では、逆に変わっていないことはありますか?
 ライブの機材は変わりましたけど、音を作ってる機材はほとんど変わってないですね。あと…僕(笑)。音源はほとんど変わってないですね。音源が変わってないってことがどれくらいすごいことか、あと10年くらいしたらわかると思います(笑)。

>もし壊れてしまったら大変ですね。
 だからオークションとかで何台かキープしてます。東京にのスタジオワーク用に一台置いてたり。

>『RSRFES』は環境への取り組みも積極的に行なっていますが、環境問題についてどのようにとらえられていますか?
 東京でもプラスチックゴミがやっぱり燃やしても良くなったりとか、あれもよくわからないんですよね。京都の処理施設も実は分別しなくてもいいくらい火力のあるところらしいんですよ。だけど全体でプラスチックゴミを分別しましょう的なノリになっているからそうしていただけで、実はしなくても良かったんじゃないかっていう。いい場合もあるんでしょうけど、なんでもかんでもリサイクルしなくてもいいのかもしれないし、分別も良し悪しですよね。でも、日本人のマナーは90年代と比べたらすごく良くなっていると思います。

>日常生活で身近に実践されていることはありますか?
 ペットボトルはなるべく買わないようにはしてます。水はいつも20Lまとめて買っているんですけど、あんまり出さない方がいいんだろうなってことで、ペットボトルは使い回しています。比較的そういう分別は以前からやっている方なんですよね。あと、僕は喫煙者なんですが、携帯灰皿はいつも持っています。京都でも汚いところは汚かったんですけど、最近はすごくきれいになったと思いますね。

>何年か前に京都へ行く機会があったのですが、街がとてもきれいな印象があります。
 場所にもよりますよ。僕が住んでいるあたりは比較的下町で、住み始めた頃はもっと汚くて、昔はプルタブとか吸い殻とかバサバサ落ちていたり、加茂川にファーストフードの袋がそのまま捨てられていたりとか最悪でした。だからすごい良くなったとは思いますけど。

>話が逸れてしまうのですが、個人的に京都の方は道を尋ねても教えてくれない印象があるんですよね…。道が複雑だから教えにくいからかもしれませんし、聞いてもわからないからかもしれませんけど。
 そんなことないですよ、たまたまですよ(笑)。僕でも外人とかに聞かれることありますもん。東京でも聞かれることありますよ。「いやいや、どう見てもオレも旅行者じゃん!」って一瞬思うんですけど…(笑)。

>harakamiさんは人が良さそうなので声を掛けられやすそうです。最近の活動についても聞かせてください。
 地味に曲を作っているんですけど、遅々として進んでません。2004年くらいから去年まで働き詰めだったので、ちょっと体調を崩したりもありまして…。今年に入って休みながら頑張ってます。ただ、ライブはやってないと人前に出るのがイヤになってしまうので。ちょっとそれだけはやっておこうかなと。

>ライブならではの充実感や気持ち良さもあるんじゃないですか?
 終わった後はありますね。「やるんじゃなかった…」って思うことはあんまりないです。

>では最後に、今年出演される『RSRFES』への意気込みを聞かせてください。
 僕を聴きに来てくれる人がまだいるのか、その確認に行きます。あと、出店で牛の丸焼きとかやってますよね。いつできるんだろう…?っていつも楽しみにしているんですけど、まだ食べられていなくて。今年こそは食べてみたいです。


2008年8月16日(土)『MOON CIRCUS』
「一昨年に矢野顕子さんと一緒で出演していただいたんですけど、今年はソロで聴きたいなと思って出演をお願いをしました。MOON CIRCUSへ出演をしていただくのですが、夕方くらいの気持ちいい時間にぜひ聴いてみたいですね。」(WESS/『RSRFES』プロデューサー・山本博之 ※)
※2008年当時


rei hahakami
広島生まれ、京都在住。独自の清廉さと繊細さを持つ音楽性が広く支持されている電子音楽家。自らのアルバムのほか、矢野顕子、UA、ショコラ、日本科学未来館のプラネタリウム音楽などの作品プロデュース、くるり、ナンバーガール、Great3などの楽曲のリミックスなどを手がけ、2005年には4thアルバム『lust』を発表し話題となる。最近では矢野顕子との”yanokami”でのアルバムリリースやフェスなどへの出演、映画『天然コケッコー』の劇中の音楽制作とサントラのリリース、雑誌「Oggi」のCM音楽制作など精力的に活動。今年も『天然コケッコー』の音楽が複数の映画コンクールで音楽賞を受賞、3月にyanokamiの英語版アルバム『yanokamick』をリリース、シンガポールのフェスに出演など幅広く活躍している。
ウェブサイト http://www.rei-harakami.com



text Pilot Publishing / photograph Kei Furuse(studio k2)
August,2008



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