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Guest 北海道を訪れた今を輝くゲストのスペシャルインタビュー


ミュージシャン【FOLKS】


岩井兄弟とその幼馴染によって、2013年1月に結成された恵庭市の新興住宅地“恵み野”在住の5人組バンド〈FOLKS〉。昨年は【RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO】や、【東京rockin’on presents JAPAN’S NEXT vol.1】へも出演するなど早くも注目を集め、そして今年2月12日にミニアルバム『NEWTOWN』で、遂に待望のメジャーデビューを果たす。地元FM局のパワープレイを獲得するなど後押しを受け、北海道の小さな街から繊細で美しく、どこか儚さをたたえた音が、そっと静かに響き始める−。




インタビュー(January,2014)
高橋 正嗣(Programming&Syn&Chor)
野口 一雅(Ba&Chor)
岩井 郁人(Vo&Gt)
小林 禄与(G&Syn&Per&Chor)
岩井 豪利(Gt&Vo)



>メンバーのみなさんは恵庭市のご出身で、奇遇にも私も全く同郷なのですが、実際に恵み野という地方の小さな街で活動をされているのに驚きました。

岩井〈郁〉:恵み野で音楽活動をされている人も中にはいるかもしれませんけど、地方でやろうとする前に、できると思う人が少ないと思うんですよね。まだそういう時代ではなかったというのもあると思いますし。とは言っても、恵み野自体にスタジオやライブハウスがあるわけでもなく、音楽コミュニティがあるわけでもないので、だからメンバー全員がMacを持っていて、DTMを入れて、使い方を学んで、そういう環境があるからこそできているんですけど。

>演奏される時はどうされているんですか?
岩井〈郁〉:最近、(隣町の)島松に『JUNCTION』というスタジオができたんですよ。多分、演奏したくてもできる場所がなかった人は多いと思うので、かなり賑わっていますね。30代くらいのお兄さんがオーナーさんなんですけど、高価な機材がたくさん揃っていて、めちゃくちゃ良いスタジオなんですよ。
小林:ギターとかベースも揃っていて、貸し出しもしてくれて。
岩井(郁):オーナーさんは東京で楽器屋の仕事をずっとされていたそうで、「故郷の音楽シーンや若い人達のために、自分の好きな機材や楽器を使わせてあげられるスタジオを作りたい」という話をされていたので、そういう人達が地方にも徐々に増えてきているのかなと思います。

>通信や技術が進歩して、地域差で生じるデメリットが少なくなった?
岩井〈郁〉:今はどこにいても、どんな場所でもできます。実際に僕達も、僕の家の8畳くらいの部屋にぎゅうぎゅう詰まってやっているので(笑)。僕達自体がデジタルネイティブというか、生まれた時からPCが日常にあって、電子機器に触れていましたし、PCの授業があったり、音楽情報を取り入れるのもインターネットやYouTube、つながるのもメールやTwitterやFacebookなので、だから地方に音楽活動をするための環境が整っていなくても、どこにいても音楽はできるんです。

>例えばですが、札幌だって近いし、利便性もより良いのでは?
岩井〈郁〉:今はどこででもできるんですけど、どこででもできるようになり過ぎていて、そういう状況の中で音楽をやっている人はたくさんいると思うんですけど、どこにも根付いていないというか、ルーツが見えてこないんです。北海道なのか、東京なのか、海外なのか、どこの音楽なのかが伝わりにくくなくなってきている気がしていて、それはデジタルや電子機器が発達したことのデメリットだと思うんですけど。そこからさらにもう一歩踏み込んで、いろんな国のいろんなジャンルのものを取り入れながら、自分達のルーツ、その土地の匂いは大事にして、それを恵庭の音楽として鳴らしたくて、だから僕達は恵庭に住んでいるんです。
小林:札幌まででかくなると、他のバンドと変わりなくなってしまう気がするんですよね。やっぱり根付いた場所でやっているからこそ見えてくるものもあるのかなと思います。
岩井(豪):大きくなってしまいますけど、自分達の力で恵庭自体を少しでも活性化させたいという想いもあります。
岩井〈郁〉:やっぱり誰もやっていないことをやりたいのもありますし、自分の街ってオリジナルじゃないですか。個人的に、東京の音楽だとオリジナリティが無い感じがしますけど、例えば福岡の天神という街で生まれた音楽はオリジナルで魅力的だと思うんですよね。僕達の目標として、自分達発信のシーンを作りたくて、なぜ恵庭で、北海道でやっているのかというのも、自分達のルーツから発信するシーンを作っていきたいからなんです。

>地域性が曲作りにも反映されている?
岩井〈郁〉:そうですね。でも、それに気がついたのも最近なんですよね。今回アーティスト写真を撮ってくれたカメラマンの太田好治さんも実際に何度か恵み野に来ていただいて、街の雰囲気や家の色が綺麗で海外ぽい雰囲気が出ているから、それを生かしたいということでそれぞれの自宅の前で写真を撮ってくれたんです。恵庭市は新興住宅地なんですけど、中でも特に恵み野がごちゃまぜなんですよ。いろんな国の空気を取り入れていたり、ヨーロッパとかイギリスの昔のレンガ建ての雰囲気だったり、北欧的なヴィヴィッドカラーの壁の色の家だったり、日本の近代的な日建築の感じだったりとか、いろんなものがごちゃまぜで、僕達はそういうものを見て育っているから、きっとごちゃまぜみたいな感覚が根付いているんだと思います。

>今年2月12日にはミニアルバム『NEWTOWN』でメジャーデビューされますが、どのような作品になりましたか?
岩井〈郁〉:去年の3月に自主製作盤『Take off』をリリースしたんですけど、一昨年の夏から去年の3月までずっと録っていて、その時期にバンドを組もうというタイミングがクロスしているんですよね。その頃はまだ〈FOLKS〉を組もうと思っていなかったし、とにかく自分の中にあるやりたいことは何だろう?とずっと考えていた時期があって、実際に『Take off』は僕ひとりで作っているし、1曲だけ兄ちゃん(岩井豪利)が原曲を作った「River」という曲があるんですけど、それも僕がアレンジをしているので、だから『Take off』は〈FOLKS〉というより、ほぼ僕の作品なんです。その後にバンドを組んだので、聴いてもらった人は〈FOLKS〉として聴いているわけですから、どこか違って感じるかもしれません。だから、今作はメンバー全員と2~3ヵ月くらいずっと、誰もやっていなくて、新しくて、僕達の一番やりたい好きな音楽は何なんだろうというのを、研究というか、徹底的に暴いていきました。自分の好きな音楽のジャンルや歴史、曲がどう風に構成されているのか、どういうレコーディングの方向で作られているのかとかをみんなで話し合いながら、試行錯誤して出来上がってきたデモがあって、コラージュでたくさん転がっているものをかき集めて完成したのが『NEWTOWN』の新曲達なんです。

>メンバーそれぞれ、音楽性や趣向は違うと思いますが、共通する部分が作品としてまとまった?
野口:元にあるものはバラバラだと思うんですけど、研究していくうちに全員の聴いている音楽が結果2ヵ月間同じだったから、そこでうまくまとまったと思います。
岩井〈郁〉:自分達のエゴではなく、〈FOLKS〉としてバンドの集合体が何を考えるか、何を作るだろうかというテーマで客観的にみんなで話し合っていて、そういう意味では、みんな幼なじみだし、ずっと一緒にいるメンバーだから、わりとスムーズにそうなっていきました。

>楽器のパートはもともと分かれていたんですか?
岩井〈郁〉:実は、〈FOLKS〉を結成した時に、ライブをやることを全く考えていなかったんです。音源を発表した時にライブを観たいと言ってくれた人がいて、それでどうしようと考えた時に初めて、もともと楽器何やってたっけ?って話になって。僕と兄ちゃんはギターで、禄与は何でも弾いてたよね。ふたりは話し合ったんだよね?
野口:いろいろと(笑)。
高橋:いろいろと(笑)。
岩井〈郁〉:そもそもバンドとして何がしたいかと言うと、良い曲を作ろうということから始まったので、メンバー全員がPCを持っていて、PCの中だとギターも弾けるし、ベースも弾けるし、ドラムも叩けるし、キーボードも弾けるし、全員がクリエイターでプロデューサーみたいな立場で曲を作っていたので、それぞれがそれぞれの楽器のことをなんとなくわかるんですよね。そういう意味でも、楽器に対するエゴが無いので、特にぶつかりませんでした。まず大前提として、みんなで何か面白いことをしようということで集まっているんですよね。中学生くらいの頃から、みんなで自主映画みたいなものを撮って遊んでいたりしたんですよ。
小林:中3の受験シーズン、殺人事件のサスペンス映画を撮っていました。みんな部活が終わってから集まって。
岩井〈郁〉:感覚としてみんなで遊んで、面白いことをしようよっていう、その延長線上にあるんですよね。その時に初めて何をする?というところから始まるじゃないですか。例えば、鬼ごっこにしても誰が鬼をやるとか、ケイドロでも誰が警察やるかとか、まず何かをやることになってから役割分担を決めるというか。オレ達が今やりたいことは音楽を作ることだ、じゃあそれぞれ何やる?って。

>バンドに関しては初めて聞きました(笑)。
岩井〈郁〉:全員が曲を作れるんですけど、じゃあ70年代のソウルファンクを作ろうとなったら、それぞれの根底にあるルーツが違うので、それぞれの解釈で作るのが面白くて、その掛け合わせで曲を作っているんですよね。例えば、野口だとソウルファンクとかブラックミュージック、(小林)禄与だったらダフトパンクとかエレクトロぽいものと組み合わせたり、そういう意外なものと組み合わさるのがすごく刺激的で、こんな解釈あったんだと毎回驚かされるんですよ。そういうものが、どんどん方向転換しながら、うまくつながっている気がします。

>曲は具体的にどのように作られているんですか?
岩井〈郁〉:イメージというか、曲全体の世界観から作っていて、例えば「Replica」という曲だと“北海道の夏の終わり”をテーマにしよう、じゃあどんな人物がいて、どういう心情なんだろう?とイメージしながら書いたり、世界観の設定をすることで客観的に見えてくるんですよね。僕の私的な気持ちやエゴ、一番伝えたいことも裏には多少は入っていますけど、それより先に表現したい物語の世界観を作ることによって、みんなが客観的に参加できるんですよね。僕発信の原曲から引っ張ってくると、やっぱり僕の解釈が正解なはずなので、そうではなくてあくまで〈FOLKS〉というバンドが作るこの世界観を、みんなで考えながら作っています。議論はすごくするけど、ケンカはしないよね…ケンカはたまにしてるか(笑)。
高橋:ケンカというか、激しい議論ですね(笑)。(岩井(豪)とは)もともと一緒にバンドをやっていたので、すぐに言い合いになりますね。

>今後も恵庭を拠点とした活動を継続されるんですか?
岩井〈郁〉:やっぱり恵庭が好きだし、僕達のコンセプトとして、恵庭のバンド、北海道のバンドであることが重要だと思っているので、それは一番どしんと構えていたくて、恵庭と一緒に〈FOLKS〉が広まるまでは続けようと思っています。その後に、東京とか全国行脚とかしたいという目標はあります。
小林:〈日本ハムファイターズ〉のような存在になれると良いですね、恵庭本拠地の遠征みたいな。恵庭で活動をすることで、どこにいてもできることを証明していきたいです。小さいことから始めていく方が、僕達の目指していることなので。
岩井〈郁〉:地元をルーツにして世界へ発信していく人達が、いろんなところに増えて欲しくて、好きなミュージシャンが聞いたこともない街から出てくると、その街ってどんな街なんだろう?ってバックボーンが知りたくなるじゃないですか。そういうのが個人的に好きなので、音楽にもアメリカだとブルックリン州がこうとか、ニューヨーク州がどうとかありますけど、そういうのが日本にもどんどん増えてくれたらもっと楽しくなると思います。そういうシーンを作る流れの発端、きっかけになれたら面白いですね。



ミニアルバム『NEWTOWN』
KSCL-2354 | ¥2,310-(tax in)



〈FOLKS〉
メンバーは、高橋正嗣(Programming&Syn&Chor)、野口一雅(Ba&Chor)、岩井郁人(Vo&Gt)、小林禄与(G&Syn&Per&Chor)、岩井豪利(Gt&Vo)。札幌市のベッドタウンである恵庭市の新興住宅地“恵み野”在住の、23~25歳の幼馴染5人組。2013年1月、それぞれバンドを組んでいた岩井郁人・野口・小林の3人、岩井豪利、高橋の2人が合体し〈FOLKS〉を結成。3月に初ライブを行う。札幌市内を中心にライブ活動を行い、一般公募枠で応募総数553組の中から【RISING SUN ROCK FESTIVAL 2013 in EZO】に出演。2013年3月、5曲入り自主製作のミニアルバム『Take off』をリリースし、同年7月末からiTunesにて音源配信(※リマスタリングを砂原良徳が担当)。2014年2月、メジャー1stミニアルバム『NEWTOWN』をリリース。
オフィシャルサイト:http://www.folks-eniwa.com



text:Pilot Publishing / photograph:Syouta Tanaka
January,2014



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