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Guest 北海道を訪れた今を輝くゲストのスペシャルインタビュー

hozzy 藍坊主
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hozzy/藍坊主


ロックの可能性を追求し続けた10年の集大成。2年ぶり5thアルバム『ミズカネ』を待望のリリース!

今年で結成10周年を迎える藍坊主が、2年ぶりとなる5thアルバム『ミズカネ』を待望のリリース。彼らが手を引き導く、澄んだ美しき世界は、さらに奥へと深く、優しく…。バンドはもとより、人間としての大きな成長を感じさせる本作は、これまでの集大成ともいうべき意欲作となっている。ロックの可能性を追求し続けた10年、果てに辿り着いた場所で今、彼らが眺めている景色とは…。全国ツアーを前に札幌へ訪れたhozzyに訊く、作品へ込められた想い。






Interview(March,2010)

>北海道にはこれまでライブでも度々いらしていますよね。

プライベートでも2〜3年くらい前に、車でフェリーに乗って来たこともあります。札幌を目指していたんですけど、予定外に函館へ寄ったので途中で諦めて、登別温泉に泊まって、洞爺湖をまわって帰って来ました。小学生くらいの頃にも旅行で宗谷岬とか行ったり、キタキツネも見たことがありますよ(笑)。ライブで札幌へ来ると、ウチのドラムが『米風亭』というお店が大好きで、彼は毎回そこへ行って“油そば”を食べていますね。早めに入った時は一緒に付いて飲みに行ったりもしています。

>地方でよく飲みに出られたりされるんですか?
ボーカルなのでツアー中はあんまり行きませんけど、イベントとかで呼んでもらった時は、打ち上げなんかには連れて行ってもらっていますね。

>特に印象に残っている出来事はありますか?
一度すごい酔っぱらっちゃったことがあって、当時の担当の人とものすごいケンカをしちゃって…。次の日の朝、気まずくて顔を合わせられなかったので、タクシーの運転手さんに「どこか雪原みたいなところへ連れて行ってください!」ってお願いして、連れて行ってくれたのが大学の広い原っぱみたいなところで、雪原みたいなところがばーっとあって、そこで頭を冷やしていました…(笑)。そしたら集合時間になっても来ないから「オマエ、どこにいるんだ?」って電話がかかってきて、「…ごめん、ちょっと逃避してる。」って…(笑)。その後、会ってちゃんと謝りました。

>タクシーの運転手さんもきっと困ったでしょうね(笑)。意外と熱くなるタイプなんですか?
今はもうそうでもないですけど、2〜3年前はそんな感じだったかもしれないですね。自分で言うのもなんですけど…まるくなったなって(笑)。喋り方とか自分にも自覚できちゃうくらい変わりましたし。前はもっとぶっきらぼうだったかもしれないですね。

>メンバーと一緒にライブを観に行かれることもよくあるんですか?
『フジロック』も一緒に観に行ったりしたことあります。最近は夏ツアーとかやっているのであんまりないですけど。

>今年で結成10年という節目を迎えられましたが、振り返られて心境はいかがですか?
自分たちではあんまり意識していなくて、昨年末くらいにアルバムを作っていた時、スタッフの人から「10周年、なんかやるの?」って聞かれてようやく気がついたくらいなんですよね。ウチのメンバーはみんな高校の頃からの知り合いだし、ついこないだまで高校生だった気分なんですけど。

>誰しもそうやって大人になっていくんですね(笑)。バンドとして変化されたことはありますか?
髪型ですね。

>…そこですか?
単純に美容室が苦手になっちゃったんです。こないだ行ったんですけど、ちょっと上から目線の美容師さんで、ぶちキレて帰っちゃったんですよね。「今日、どうする?」って言うから、オレはこうしたいっていうのが特に無かったので、むしろ提案して欲しかったんですよ。そういう話の流れでいこうと考えていたら、「何も言わないとわかんないよ!」って怒られて。今は自分で切ってますね。美容師をやっている友達がいた頃は良かったんですけど、みんな遠くに行っちゃって。それから伸びっぱなし
ですね。

>最近は長めな印象がありますね…すみません、他にもありませんか?バンドのこととか…。
変わったことといえば…ウチのドラムが高校生の頃に門限が18時だったんです。箱入り息子で。27歳になって初めてタバコを吸ったんです。オレらはもう何年かやっているのでわりと落ち着いているんですけど、彼は途中から入ってきたので、ツアーとかになるとはしゃいじゃって、テンションも高かったんですよ。20歳以降デビューみたいな。最近ようやくまともになってきました。大人の青春に向かってます(笑)。

>大人の青春ってすごく楽しそうなんですよね…すみません、他にもありませんか?バンドの内面的なこととか…。
う〜ん、なんだろうな…。でも、基本的には変わっていないかもしれないですね。バンドとして向かう方向とか距離感みたいなものはそんなに。もちろんプロとしての自覚はありますけど、やっぱりどうしたって楽しいというところは保っていきたいし、それが仕事だったら最高だって思っているので、お金のためとかこういうのが売れるからというところとのスタンスはずっと変わらないかもしれないですね。時代とかもあるし、この先は変わっていくのかもしれないですけど。

>いきなりダンスとか始めたらいやらしいですね(笑)。不器用なまでに自身の音楽を追求するひたむきさを感じますが、バンドとして壁に当たったこともあったのでは?
ありますね。1〜2回くらい。その時は自分だけが思っていたりするので、その度にメンバーと向き合って、じゃあどうしようかっていう前向きな話し合いになるので、もうちょっと頑張ってみようかなって乗り越えたこともありましたね。もともとバンドをやるためだけに集まったわけではないので、なんだろう…地元が同じで共通の友達がいたりとか、そういうのもあるから続けられたのかもしれませんね。

>具体的にはいつ頃ですか?
前作の『フォレストーン』あたりで結構でかいぶつかり合いもありましたね。一度殴り合いになっちゃって…。でも、普通に友達なので、全然忘れてますけど。でも、バンドマン同士というだけの関係だったら、あそこで解散していたかもしれないですね。

>バンドのメンバー以上の関係なんですね。
長くやっているとなあなあになってくると思うんですよ。3枚目あたりまでは、わりとそれでうまくやれたところもあったんですけど、「わかってるでしょ?」みたいな、そこまで深く入らないし入ってこないけど、上手くいっているからいいじゃんみたいな…ぬるい感じでしたね。

>恋人から夫婦に変わっていく関係とどこか似てますね。10年に及ぶ活動の中で、バンドとしての転機はありましたか?
『フォレストーン』をリリースした時に一番いろんなことが変わった気がしますね。今まで少しづつ階段を登っている感じだったんですけど、それがすべて崩れた感じがあって。自分達でも挑戦してみたい気持ちが強かったので。今まで僕らを支持してくれていた人たちの中にも離れてしまった人もいれば、逆にもっとオレたちのことを好きになってくれた人もいてくれて、作品として以上に大きかった気がしますね。

>『フォレストーン』からバンドとして10代から20代へ成長したような、世界観と音に深みや重みが増した印象を受けます。
そうですね。どうしたってオレたちはバンドをやりたいからやっている人間だし、それができなくなったら辞めようと決めているので、だからこそ突っ張っていたところもあるのかもしれませんね。今になって振り返ってみるとそういうのが大事だったり、ケンカもしたからこそ柔軟に物を考えられるようになった気がします。

>2年ぶり5thアルバムとなる『ミズカネ』がリリースされましたが、前作から制作期間を長く掛けられています。
それまで1年ペースでリリースしていたんですけど、ありがたいことにレコード会社には自由にやらせてもらっていますね。スタッフもオレらがどういうバンドで、何をやりたいのかをすごく理解してくれているので感謝しています。

>作品づくりには正解が無いので、締め切りがないと逆に迷われたりされないですか?
それももちろんあるんですけど、ウチのメンバーはもともと好きな音楽がずれていたりするんですよ。だから、オレが良いと思ったものでも反応が良くない時があるので、自分が思ってるだけなのかもしれないって、ちょっと客観的になれるんですよね。それを諦めないで突き詰めていくと、もしかしたらもっと伝わりやすくなるかもしれないので、いろいろと試せる範囲が昔よりもさらに広がった感じはします。

>あたたかみのあるジャケットのイラストが印象的ですが、今作も含めてアートワークを御自身で手掛けられています。
もともとはウチのメンバーも顔見知りの同級生がデザインをやっていて、一緒に何か作れたらいいねと話していたのがきっかけで、2ndアルバムから始めました。最初はオレもなんにもわからなかったんですけど、いろいろ教わりながら続けていくうちに、デザイナーさんが投げてきたものをそのまま受け入れるのも違う気がしてきたんですよね。CDなんだからそんなところにこだわらなくても良いんですけど、やっぱり次の音源とかにも掛かってくる気がするんですよね。メンバーが好きなものとか、大げさに言えば美意識だったり、そういうものをひとつの表現として共有できると思うし、メンバーが良いと思えるものがより具体的に伝わりやすくなると思うんです。

>フォントひとつで印象が全く変わってしまいますよね。ケータイみたいな丸文字とか絵文字だと絶対伝わりません。
でも、意外とそういうことってあり得るので…(笑)。歌詞の書き方だったり並べ方っていうのも、ぶっきらぼうになると薄っぺらく見えてしまうこともあるので、やっぱり文字で見る伝わりやすさというのはあるのかなって思います。

>2曲目の「ラストソング」は、サビのメロディーが印象的な王道のロックナンバーです。
2曲目なのに「なんで“ラストソング”なんだよ!」っていう感じですよね(笑)。今回の制作で一番最後にできた曲なので、仮タイトルで「ラストソング」って付けていたら、それでずっとやっていると愛着が出てきちゃって、なんか他に替えられなくなっちゃったんですよね。一番最後に「ラストソング」が無い状況でアルバムの曲もある程度出揃っていたんですけど、あともう一曲結構勢いのある曲というか、真っ正面にロックな曲が欲しかったんですよね。その時ネタ切れもしていたんですけど、最後に一曲これを作ってアルバムの曲を作るのをやめようと思っていて。

>これまで追求されてきたロックをさらに進化させた曲になっています。
最初、Aメロが無かったんですよ。オレがデモで作ってきた時は、ドラムを叩きまくって記号的に声が乗っかって、そこから一気にサビのフレーズに流れていく感じで、オレはなんとなく良いと思っていたんですけど、メンバーにはあんまり伝わらなくて。今度はちゃんとメロディーをつけて、その時にタイムリーだった想いを書いてきたら、みんな納得してくれたんですよね。それをウチのドラムがアレンジしてきたら、すごいヘビーな仕上がりになってきて…(笑)。ちょっとやりすぎっていうくらい決めが多い感じっていうか、ヘビーロックみたいな。それを藍坊主の流れをくんだアレンジにまとめてきたのがギターだったんですよね。ギターはアレンジの感じが今作で一番好きだって言ってるんですけど。

>最後の曲ということで焦りも感じられていましたか?
焦っていたというよりも、疲れ切っていて。その前まで結構集中して曲を作っていたんですけど、集中できる期間って短かったりしますよね。ずっと続けていても、これ以上ダメだなって。集中力を切らさないで良い状態を維持したまま最後の曲まで作らないとって、そういう意味では焦っていたかもしれないですね。

>9曲目の「マザー」は、歌詞が本当に素晴らしいですね!
ありがとうございます。シングルで一番最初にリリースされたのもあるんですけど、このアルバムのスタート…起点になった曲ですね。

>親のありがたみや感謝、その愛情を子へ伝えたいという優しさやぬくもりに溢れています。
これは全部数時間でばーっと書いて、メロディーも歌詞にあわせて作ったんですよね。ありがたいことにオレも素晴らしい機会に恵まれたので、その時の気持ちが全部込められていますね。

>今作の印象として、前作で築き上げられた深みや重さを残しながら、全体的として優しさと透明感に包まれているように感じられます。
ちょっと余裕ができたのかもしれないですね。『フォレストーン』の頃のちょっと気張っていたり、こうしなきゃいけないというのが無くなって。限界へ手を伸ばして作るんじゃなくて、ちゃんと囲い込んだところで作ってみようという意識はありました。

>まるくなりましたね、もちろんいい意味で(笑)。バンドとして明らかに成長されていて、表現する上での懐が大きくなっているように感じます。作品を作る中で何か心境の変化があったのでしょうか?
音楽って聴いてくれている人がいてくれて、初めて音楽になり得るのかなって考えるようになりました。ツアーとかやっていると、いろんなお客さんにも会うし、いろんなものを見てきた影響もあると思うんですけど、きちんと伝えられるものを作っていきたいんです。自己完結する曲もすごく好きですけど、今は人に聴いてもらって伝えられたり、またその人から返ってくるものを受け止めたいんですよね。


pilot_mizukane

5thアルバム『ミズカネ』
TFCC86320/¥3,800(tax in)
ポピュラリティーとスケール感を兼ね備え、自らの殻を打ち破り続ける藍坊主の2010年が始動!約2年ぶり5枚目となる本作は、藍坊主のセルフプロデュースの完成形とも言えるアルバムで、結成10年を迎える年に相応しい過去最高傑作!シンプルなメロディに乗せて、深い思いを歌にしたミドルチューン「マザー」、爽快なメロディと明確なメッセージを持った「名前の無い色」、そして”愛”というテーマと対峙しスケール感と叙情感あるロックナンバー「伝言」を収録。アルバム全体を通して、実験的でセンス溢れる感性と、ポピュラリティー溢れる楽曲が融合した内容となっている。 初回限定盤は、ミュージッククリップ13曲を収録したスペシャルDVD付き。

aobozu TOUR 2010『こぼれるシルバー』
date 2010年5月1日(土)
time 開場 17:30/開演 18:00
place 『PENNYLANE 24』(札幌市西区24軒4条5丁目5-21)
system 前売 ¥3,500/当日 ¥4,000(共にドリンク代別)
information WESS(telephone 011-614-9999)

藍坊主
神奈川県小田原市出身の4人組ロックバンド。1999年、高校時代に別々のバンドをやっていた藤森真一(Bass)と hozzy(Vocal)が意気投合し、前身となるブルーハーツのコピーバンド “ザ・ブルーボーズ” を結成。地元のライブハウスを中心に活動を始める。2001年、藤森の保育園からの幼なじみ田中ユウイチ(Guitar)が加入し、バンド名 を“藍坊主(あおぼうず)”に改名。活動の場を東京都内へと移し、インディーズでアルバム1枚、シングル2枚をリリース。2004年3月、当時ドラマーを務めていた亀井栄が脱退。2004年5月、1stアルバム『ヒロシゲブルー』をリリースし、メジャー進出を果たす。2005年3月、田中の高校時代のクラスメイトである渡辺拓郎(Drums)が正式加入し、現在のメンバー編成となる。秀逸なメロディーと多くの人に共感される身近なテーマを題材にした歌詞、そしてライブを積み重ねることで身に付けた確かな演奏力と透明感のあるボーカルが魅力なバンド。音作りのみならず、ジャケットやポスター、ツアーTシャツのアートディレクションに至るまでメンバーによるセルフプロデュース。2ndシングル「スプーン」以降、パッケージの中で何らかの形でhozzyのイラストが使用されている。
url http://www.aobozu.jp



text pilot publishing/photograph kei furuse(studio k2)
March,2010



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  1. Comment by もちゃーん。ずるむけ。 (@mochaaan_3) 2012年12月29日 @ 11:40 PM

    @h_spma 尖ってる様子が想像しやすいwこのインタビューでホジ色々喋ってて面白い笑。http://t.co/OXY6Pzep



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