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河田 裕一(ARCH HERITAGE)『QUIET LIFE』vol.1 朱鞠内湖


少年の頃から釣りを嗜み愛してやまない『アーチ・ヘリテイジ』ディレクター・河田裕一氏が、友人・知人と共に北海道の海川湖を巡る釣り紀行。人生にも通じる十人十色な釣りの楽しさと、北海道が誇る大自然の魅力を再発見します。今回のゲストは系列店の『アーチ』スタッフ・岩谷洸太郎氏。今日も見果てぬ夢を追い求めて…それでは出かけましょう!


朱鞠内湖
住所 北海道雨竜郡幌加内町
朱鞠内とは、アイヌ語で“シュマリ・ナイ”(狐川)、“シュ・マリ・ナイ”(石が多い川)の意。ダムによって堰き止められた湖で、周囲は40kmに及び冠水面積は2,373haと、人造湖としては日本一の広さを誇る。また、-41.2℃の日本最低気温を記録した地でもある。湖岸線はリアス式海岸にも似た複雑な地形で、湖には大小13の小島が浮かび、その美しい景観は特徴的。湖周辺は、針葉樹・広葉樹などが生い茂る豊かな自然が広がり、1974年には道立自然公園に指定された。湖畔には、キャンプ場やレストハウスが整備され、観光遊覧船も運航されている。“幻の魚”イトウ、サクラマス、アメマスなどが生息する好釣場でもあり、春秋にはメーターオーバーのイトウを夢見て竿を振る、多くの釣り人達で賑わう。





text(July,2010)
河田 裕一 / 『ARCH HERITAGE』ディレクター

三年前の晩秋に初めて訪れて以来、毎年春と秋には必ず数回ほど足を伸ばしている道北は『朱鞠内湖』。寒暖の差が激しいこの北の大地の湖は、深く濃い森で囲まれ、四季折々に彩られるロケーションの素晴らしさもさることながら、なによりそこに棲む“イトウ”という魚が、僕をはじめ、釣行を共にする友人達を魅了してやまない。

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今シーズンもここを訪れるのは三回目。今年は例年以上の寒さと雪で解氷こそ遅れはしたものの、その後は季節も追いつき、6月も中旬に差し掛かったこの日は、30℃近い気温にもなろうかという夏日の予報だった。

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渡船による小島への移動は、子供の頃に感じたことのある、遊園地の乗り物に乗る感覚に似ていて、いつもわくわくどきどきしてしまう。ただ、それと違うのは、行先を告げなければならず、釣れる釣れないなんてことは行ってみないとわからないのが当り前なはずなのに、ついついボート屋さんにおすすめの場所なんかを聞いてみたり…。結局、この日の湖のコンディションは風も無く、“べた凪”の状態だったので、その中で少しでも水通しの良さそうな場所を選んでみた。

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朝一の所謂“朝まづめ”が何事も無く過ぎると、気温の上昇、眠気、纏わりついてくる虫に集中力が切れそうになる。いつも思うことだけれど、湖の釣りは忍耐が必要。いつ訪れるかもわからないバイトにキャストし続ける。そして、これもまたいつも思うことだけれど、その瞬間はなんの前触れも無しに突如やってくる。隣でロッドを振っていた彼の数メートル前で、静かな湖面が大きく割れた。

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最近新調したと言っていたロッドが奇麗に孤を描いている。この状況下での一尾は価値あるものだと理解しているし、責任重大なので出来れば避けたいところだけれど、足場が悪いのと障害物が多いためにランディングを手伝う。慎重にやりとりするも、手前まで寄せて二度ほど走られ、緊張していたのはむしろ僕の方かも…。

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顔を見せてくれたのは70cmのイトウ。威風堂々としたその個体にしばし見惚れる。そして…“ありがとう”。リリース時にアングラーなら誰もが思うこと。元気に湖へと帰って行った。

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僕はと言えば、この日結局イトウには会えず終い。それでも悪い気分がしないのは、大自然の中で気の許せる仲間と並んでロッドを振り、心から楽しそうな笑顔を見れたからに他ならない。次にこの地を訪れるのは、また春とは違う素晴らしい秋の紅葉の季節になると思うけれど、その時も仲間達とああでもないこうでもないと言いながら釣りを楽しみたい。そして、もしイトウに出会えたなら…そんな贅沢なことはない。


Today’s Guest
岩谷 洸太郎 / 『ARCH』スタッフ
「釣りを始めたのは、小学一年生の頃に父親がエサ釣りへ連れて行ってくれたのがきっかけで、ルアーは中学一年生からです。仕様は自然が相手なので実用を重視。道具は良いものは高価なのでひとつづつ気長に集めています。最も印象に残っている釣果は、2007年11月末に初めて訪れた朱鞠内湖で釣ったイトウで、極寒の中で辛抱してようやく釣れた念願の一尾にはとても感動しました。これから挑戦してみたいのは、尻別川のスティールヘッド。人生で一度は釣ってみたいですね。僕にとって釣りとは…精神安定剤です(笑)。」

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ロッド メジャークラフト トラウティーノ 8.6f / リール ダイワ セルセート 3000 / ライン ナイロン10ポンド / ヒットルアー BUX 


河田 裕一 / 『ARCH HERITAGE』ディレクター
1976年、北海道恵庭市出身。2000年、山内公史と共にミサンガインターナショナルを設立。2002年、『アーチ』をオープン。2006年、『アーチ・ヘリテイジ』をオープン以来、同店ディレクターを勤める。



text & photo Yuichi Kawata(ARCH HERITAGE)& Pilot Publishing
July,2010



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