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Shop 北海道各地の街に息づく魅力あふれるショップを紹介


セレクト『Discover Real Clothing MAM』(札幌市)【閉店】


住所 北海道札幌市中央区南3条西1丁目3-5 狸小路1丁目
営業時間 11:00〜20:00


世界基準の時代を超えた本物だけを扱うセレクトショップ。人気のプリントタイツ、プリントレギンス、カラータイツは日本正規販売店として日本一の品揃えを誇る。1階にはミリタリーバック、オリジナルインセンス、1950’s〜1970’sアクセサリー、オリジナルキャンドルなど、2階にはヴィンテージアイテムやレギュラー501、冬物アウターなどを取り揃えている。



photograph Kei Furuse(studio k2)
February,2008






インタビュー(February,2008)
ワタナベ カズヒロ / 『MAM』オーナー&札幌代表


>オープンされて数カ月が経ちましたが、現状はいかがですか?
たまたまテレビや新聞でも多く取り上げていただいていますけど、アンテナの高い人達が掘ってくれただけなんですよね。特に宣伝もしていませんし、自分達から仕掛けているわけではないので、一般の方へはまだまだ届いていないと思います。女性のみなさんにはぜひ一度見ていただきたいですね。

>レディースのセレクトショップになりますか?
タイツやレギンスの種類が豊富なこともあって、レディースが主体に見えてしまうかもしれませんけど、特別線引きをしているわけではなく、あくまでもセレクトショップとして、メンズやレディース問わず、洋服も雑貨も扱いながら提案をしています。 

>“セレクトショップ”としてのこだわりがとても強く感じられます。
いろんなメーカーやブランドの商品をセレクトしている中でも、やっぱり自分の個性は出したいし、自分が良いと感じる物だけを置きたいので、とらえ方としては“セレクトショップ”ですね。どうしても古着屋としてくくってしまうと、自分の中では90%くらいは古着を置いていないと違うし、かと言って新品オンリーとも違う話ので。ジャンルとしては一番セレクトショップが正しいのかなと思います。

>他のショップと特に異なる部分はどこですか?
他の店が良い悪いではなくて、他の店に置いてある物を自分の店に置いてしまうと、自分のカラーとして面白くないし、ましてやよその店で売れているからといって自分の店に置くなんてことは絶対にしたくない。そういう意味を含めて、セレクトが他の店とは違うと言っているんですよね。決して他のセレクトがダサイから、値段が高いからというのではなくて、ウチは他とは違うことを提案していますと異常にでかい声で言っているだけなんですよね。

>最近の札幌の路面店の現状について、どのように感じられていますか?
大手さんが増えている気がします。業種問わず、大手の力のあるところが出店してきていますよね。

>ショップも個々の個性が強くなっているように感じます。
カラーがはっきりしているというか、セレクトがしっかりしているショップが残っていますよね。昔から言っているのが、古着屋というのはもっと細分化されて、その個々の個性がはっきりとしてくるであろうと。それが今になって、極端な話、閉店や出店という形として現れていますよね。例えば、『アーチ』はショップがこれだけ閉店してしまっている中で、ひとつづつ確実に形にしています。メンズ、レディース、新品、古着を問わず、しっかりとセレクトをしていますよね。そういうところは残っていたり、逆に伸びていくと確信しています。

>やはりお客さんも変化していますか?
お客さんの情報量ってオレ達と同じですよね。買い付けや仕入れに関する裏事情は全く別としても、流行とかスタイルとか、そういったものの情報ってほとんど一緒。それゆえにお客さんがその情報だけで選んでしまっているところがあるので、やっぱり自分の目で見て、足で歩いて、そこで判断してくれたらいいかなと思います。雑誌の言っていることだけが決して“答え”ではないし、それだけが“正解”ではないから。あと、最近はネットで買っている子も意外と多いですね。店鋪へ行って試着してから、インターネットの通販で購入してポイントを稼ぐとか、そういった寂しい現象がすごく起きていますよね。

>ネットから現実にショップができたり、逆のパターンも増えていますよね。ショップの存在が変化してきて、ショップが単なるショールーム化される懸念もあります。
ショップも今までのやり方とは確実に変わってきますよね。最近の子達はその知識を持っているがゆえに、簡単に言えば生意気ですからね。その知識が正しいと思っているのが前提になっているので、オレ達販売員に何か言われても、「わかってるって!」と思う人もいっぱいいるでしょうしね。でも、それが合っているかどうかはまた別な話であって、どうしても情報にまどわらわされちゃうから。だから、新しいものに関してはまず否定してしまうというか、私は似合わない、あれはイヤだとか、どうしても先入観だけで決めてしまうけど、案外着てみたりしてみたりすると、その物の良さがわかったりすることもあるんですよね。コーディネイト次第というのもあるし、自分で試してみて確認してもらえるといいと思います。

>最近の流行についてはどうとらえていますか?
流行というのは時代の中で常に変わっているものだけど、最近はサイクルがすごく早いですね。今年流行ったから来年着れないのかって言ったら全然違う話で、ずっと流行を求めたら一年ごとに買い替えないといけなくなってしまいます。そうなっちゃうとその物に対する愛着なんて生まれないですよね。例えば、まっさらなジーンズを履いて、自分の太ももだとか膝の当たりで色落ちをしたものは愛着が生まれると思うんですよね。でも、みんな出来上がった物を欲しがるでしょ。色落ちやダメージとか、破れた箇所を直したりだったり、それまでの過程が良かったりするから、それが愛着や好きなものにつながるのであって、値段が高いから自分の好きな物、大事な物とは違うんですよね。一番重要なのは、もちろん誰かにどう見られたいというのもあるけれど、まず自分が楽しめないとつまらないと思うんです。ファッションって自分のためのもので、人のためのものではないから。自分でいろんなファッションを楽しめるようになると、自分の個性が見つかるし、流行というものも関係なくなってくるんじゃないかな。

>地方から東京へと火が着くこともあ珍しくありませんからね。
今、オリジナルの制作も進めているんですけど、札幌発信のブランドをぜひ狙いたいですね。例えば、タイツも国内外からオファーがいくつもあったけれど、自分の地元はやっぱり札幌ですから。オリジナルを東京で展開するのは簡単でも楽でもないけれど、その定説を“ブルーハーブ”が壊したかのように、我々も同じように札幌発のオリジナルブランドとして飛び立っていきたいです。業種関係なく、彼らはそういった見本ですよね。


text Pilot Publishing / photograph Kei Furuse(studio k2)
February,2008



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