住所 北海道札幌市中央区南1西15丁目1-319 シャトールレェーヴ内
ウェブサイト http://www.space1-15.com
築30年の古いマンションの1室1室をリノベーションし、作家の工房兼ショップから道内唯一を扱うライフスタイルショップまで、幅広いショップが週末限定で営業。玄関でインターホンを押して中へ入ると、小物や雑貨、カフェなどオーナーたちの個性あふれる約20店が並ぶ。
インタビュー（December,2014）
附柴 彩子 / 『SAVON de SIESTA』オーナー
『space1-15』は大人になっても探検できる場所
＞オープンに至る経緯について伺えますか？
もともとは築35年くらいになる住居用マンションで、空き部屋が困っている大家さんの意向と、場所やお金に苦労しているモノ作りの方達とのニーズが一致して、5年前に生まれた場所です。クリエイターさん以外にも、以前から住居として住まわれている方もいらっしゃいます。当時、私はウェブショップを展開しながら、全国の展示会などをまわっていたのですが、メールのやりとりだけでは気づけなかったことも、展示会だとお客さまの反応を見れたり、アドバイスなどをいただくことができたので、直接ふれあえる場所を作りたいと考えていました。そんな時にご縁があってこのお話をいただけて、まだ誰も入っていなかったのですが、すぐに決心しました。
＞週末のみの開店は、思い切った営業形態ですね。
プロデューサーの考えなのですが、『space1-15』でお店を開かれている方は30〜40代の女性が多くて、毎日朝10時から夜20時まで開けるのはとても大変で、1年もするとヘトヘトに疲れきってしまうのを心配されていました。そこで長く続けるために、1週間のうち1日は企画を考えて、1日は勉強する時間を作り、1日は自分のため、1日は家族のために時間を作りましょうと。そうすると3日くらいしか残らないので、お店を開くのは週末だけにしようということになりました。ひとりで活動しているとそのペースが活動しやすくて、無理なく続けられたので良かったです。
＞入居するための基準はありますか？
必ず事前に面接をさせていただいて、入居者同士の業種が重ならず、良い関係を築くことができて、相互作用をあげられる方というのが、大まかな条件です。大きなテナントなどでは隣同士がライバルという場合もありますが、『space1-15』では隣同士が友達なんです。ひとりで路面店でお店を始めると、どうしても自分とも戦いになってしまいます。でも、悩んだ時に相談したり、その日あった出来事などを話したりできると、境遇や感覚が近いので話が合うんですよね。商店街のような環境のもとで助け合いながら、楽しく過ごすことができました。
＞ひと昔前の、路面店をまわるような感覚に近いですね。
『space1-15』は、「探検」や「隠れ家」をテーマにしています。大人になってから探検することはあまりないですよね。目立った看板や各階ごとの案内などもありませんが、どんなお店なのか探検しながらぐるぐるまわって欲しいという想いでスタートしました。インターホンを押すまでに勇気がいるのですが、押してみたらすごく楽しいんですよ。中にはインターホンを押せなくて帰られてしまうお客さまもいらっしゃるのですが、勇気を出して入ってきてくださった方は、たまたまふらりと寄ったわけでなく、興味や目的を持っていらしてくれているので、お店でもすごく話が合うんですよね。プロデューサーは、昔のお店はお客さまが「こんにちは」と言って入って来て、「またね」とか「ありがとうね」と言って帰る場所だったけれど、最近はオープンで何も言わずにふらっと入って、ふらっと帰っていくようなお店が多いので、昔ながらのお店の在り方をもう一度取り戻せると良いんじゃないかと話していました。
＞自分で作った物を対面販売する、まさにお店の原点かもしれません。
あの場所は自分にとっての原点ですし、物の考え方や販売の仕方など、そこで得られた貴重な経験をもとに今後も活動していきます。今はまわりの地域の素晴らしさを改めて見直して、一緒に盛り上がっていける試みができたらと考えています。
『Siesta Labo.』
住所 北海道札幌市中央区南1西12丁目4-182 ASビル1F
電話 011-206-0710
ウェブサイト http://at-siesta.com
text Pilot Publishing / photograph Hideki Akita（TOOTOOTOO studio）
December,2014
