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美術館『北海道立三岸好太郎美術館』(札幌市)


住所 北海道札幌市中央区北2条西15丁目
営業時間 9:30〜17:00(入館は16:30まで)
定休日 月曜日
電話 011-644-8901
料金 一般¥450(¥370) / 高大生¥220(¥150)
※( )内は前売及び10名以上の団体料金 ※中学生以下は無料、毎週土曜日は高校生は無料 ※7月1日は開館記念日のため入場無料
ウェブサイト http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/mkb

大正から昭和初期の日本近代洋画史に鮮やかな光彩を放った札幌出身の画家・三岸好太郎の画業を顕彰し、作品その他関係資料の収集と保存、展示、および調査・研究、普及活動を行う美術館。三岸節子氏をはじめ遺族4名から220点の作品が北海道へ寄贈されたのを機に、1967年に『北海道立美術館』(三岸好太郎記念室)として開館。その後、『北海道立近代美術館』の開館に伴い、1977年に『北海道立三岸好太郎美術館』と改称して再発足し、さらに1983年には三岸好太郎のアトリエのイメージを設計の一部へ取り入れた新館を現在地に移転して新たに開館。三岸好太郎の生涯にわたる代表的作品を展示する所蔵品展を中心に、彼の芸術を様々な角度からとらえた特別展の他、講演会や音楽会なども開催されている。





インタビュー(August,2007)
柳沢 弥生 / 『北海道立三岸好太郎美術館』学芸員

>まずは美術館の紹介をお願いします。

札幌出身の洋画家・三岸好太郎の作品を所蔵し、彼の画業と生涯をご紹介する個人美術館です。所蔵作品展では当館が所蔵する作品250点からテーマごとに展示替えをして、様々な角度から三岸好太郎をご紹介しています。特別展は所蔵品だけでなく、よそからもお借りした作品をあわせながら、三岸好太郎に関連のあるテーマで展覧会を開催しております。

>個人として多くの作品が展示されています。
全国的にも認知されている作家ですから、東京・名古屋・仙台・福岡など全国の主要な美術館にも三岸好太郎の代表作がありますが、当館の所蔵点数は群を抜いています。

>三岸好太郎氏が札幌出身なのにも親しみがわきます。
すすきのなど札幌の中心部で生まれ育った人で、豊水や北九条小学校を経て、札幌第一中学校(現・札幌南高校)を卒業して上京、以後は東京を中心に活動をしています。

>帰省はされていたのでしょうか?
故郷である札幌の気候や風土が大好きで、毎年のように戻ってきていたようです。帰ってきては街の風景を描いたり、展示会を開催したり、他の作家達ともよく交流していたようです。

>地元にまつわるエピソードがあれば聞かせてください。
当時の街の様子を作品に描いていて、彼の札幌の街に対する愛情を作品という形で残してくれています。ある時、その光景を後輩の若い画家が見ていて、彼がすごい勢いでスケッチしているのを実際に目撃しているのですが、「そんなにも速く描くものなんですね」と尋ねると、「絵というのは売れるまでに時間がかかるから、描く時は速く描くものなんだ」と答えたというエピソードが残っています。

>美術館の見どころについて聞かせてください。
まずは三岸好太郎の作品を常に観ることができること。美術館の建築が三岸好太郎のアトリエの要素を取り入れた、個性的な建物であること。知事公館の中庭に位置していますので、三岸好太郎が愛した札幌の自然を間近に感じながら美術と触れることができること。作品と建築とロケーション、この三つが一緒に楽しめることです。

>街中にも関わらず、自然に囲まれた不思議な空間です。
そうですね。夏は小川の側で涼んだり、芝生で寝転んだりしながら、一日中楽しめると思います。春は花が、秋は紅葉、冬は雪景色が本当に綺麗です。当館の前から知事公館が見えますが、三岸好太郎はこんな洋館のあるちょっとエキゾチックでモダンな札幌の街が好きだったのでしょう。それらに囲まれているというのも素晴らしい環境だと思います。

>作品の見せ方などで特に気を使われている部分は?
三岸好太郎の画業を代表するような作品はなるべく展示するようにしています。三岸好太郎の作品を観たいと、道内だけでなく道外からはるばるいらっしゃるお客様も多いですから。

>素人目に見ても画風が驚くほど変化しているのも特徴的です。今でもとても新鮮ですね。
全く古びていません。本格的にデビューしてから亡くなるまでの彼の画業は10年間くらいでしたが、その中にめまぐるしく画風が変化しました。当時話題になっていた画家の画風や新しい美術の動きをどん欲に取り入れて自分のものにしながら、自分の画風を模索し続けました。

>では最後に、美術館を通じて感じて欲しいことは?
三岸の画風はどんどん変化し、具体的な作品もあれば抽象的な作品もあります。展示を通して、いろんなタイプの作品があるということを知るきっかけになればいいなと思います。三岸の画業の中でもいろいろと変化があって一箇所にとどまりませんし、それをご覧になるお客様もひとりひとり感性が違います。自分が良いと感じる作品も人によって違うと思います。今の自分にぴったり合う作品を探してみるのも面白いのではないでしょうか。


text Pilot Publishing / photograph Kei Furuse(studio k2)
August,2007




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