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Shop 北海道各地の街に息づく魅力あふれるショップを紹介

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セレクト&古着『ARCH』(札幌市)


住所 北海道札幌市中央区南3条西8丁目 第一ビル-1F
営業時間 平日12:00〜22:00 / 日曜日・祝日11:00〜20:00
定休日 不定
電話 011-261-5083
ウェブサイト http://archstyle.tv
ブログ http://blog.archstyle.tv

ブランド BIRKENSTOCK / FRANK LEDER / schesser / GARMENT REPRODUCTION OF WORKERS / BERNARD ZINS / DANTON / SAINT JAMES / PARABOOT / SULTAN / ANATOMICA / reppeto / spring court / JABEZ CLIEF / PARE GABIA / SUDIO DONEGAL / JHON SMEDLEY / BASIS BROEK / pyjama clothing / SUNSPEL / Django Atour / MASTER&Co / Hanna Hats / ALEXANDRA / CORGI / TAPIR / ADEL / James Mortimer / BRADY / CORONA / KLASICA / HONNETE / YARMO / SUNNY SPORTS / TOWN CARFT / SANDERS / Vintage Clothing / Euro Militaly


ヨーロッパを始め国内外から集められたデッドストックやヴィンテージのミリタリーアイテムを中心に、素材やディテールにこだわったベーシックでシンプルなブランドを国内外からセレクト。あくまでもデイリーユースな観点から、その洋服自体が持つ時代背景やこだわりが感じられる新旧アイテムを、独自の感覚でスタイルへと昇華させている。2009年9月に5周年を迎え店内をリニューアルし、世界観の広がりを具体的に表現。ルーツであるミリタリーを随所に感じさせる。アナトミカやフランクリーダーなど新ブランドも加わり、より個性的で魅力溢れるラインナップが展開されている。



photograph Kei Furuse(studio k2)
December,2009






どれだけ時代が移り変わろうとも、今なお心を惹き付けてやまない、古き良き名品の数々。職人の英知と技術の詰まった至高の逸品は、揺るぎない本物であることを歴史の事実が証明している。決して色褪せることのない伝統と誇りを重んじる美学は『アーチ』にも脈々と受け継がれている。


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EIGHT PIECE CAP

8枚接ぎ(ないしは6枚接ぎ)の、いわゆるキャスケットでハンチングの一種。主に春夏はリネン、秋冬はツイードやコーデュロイの生地が用いられる。中でも上質なリネンやツイードを使用したアイルランド製の物が多く見られることから“アイリッシュキャップ”とも呼称される。ブランドによって微妙に異なった型や製法の違いがあるが、故にそれぞれ特徴が見られるのも魅力のひとつ。加えて、ベースとなるリネンやツイードの生地に、織の種類や色(織柄)のバリエーションがあることで、選択する楽しみを与えてくれる。エイトピースキャップは、今や『アーチ』には欠かせないアイテム。それはコーディネートに取り入れるだけで、全体の雰囲気を大きく変えてしまうほど。それは単なる”1アイテム”としてではなく、”1スタイル”として確立されつつある。


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US NAVY SERVICE SHOES

古くは1940年代から1990年代初期に“US NAVY(アメリカ海軍)”に支給されていたオックスフォードタイプのレザーシューズ。近年、レザーシューズへの関心が高まる中、沸々と注目を集めている“US NAVY SERVICE SHOES”。その見た目からは、”軍モノ”とは想像つかないシンプルなシューズ。アメリカ靴らしい”グッドイヤーウェルト製法”の一面を持ち、プレーントゥにブラックのカーフレザーという、極めて汎用性の高い1足である。他の軍隊とは異なり、正装に身を包むことの多いネイビー(海軍)では、規則により服装に合わせて黒のオフィサーシューズの着用が義務だった。シンプルな佇まいに隠されたディテールは、厳格なミルスペック(材料・製法・製造メーカーなど細部までに及ぶ)による所が大きく、そのひとつひとつはどれも合理的で魅力が感じられる。軍隊の中でもエリート集団とされるネイビー。そんなネイビーの気品や品格が漂うサービスシューズは、確かなディテールと男らしい無骨さを兼ね備えた、洗練された1足。スタイルを問わず選ぶことのできる汎用性と、所有する過程を歩むことで得られるものが、現代において自然と皆に求められる魅力なのかもしれない。


text Hajime Yoshida(ARCH) / photograph Tetsuei Ymahashi(DIE HARD)
August,2011



「オープン当初から欠かすことのない本物の“軍パン”。一度手にすると他には代えられない、愛着の沸く一本。」
M-47 FIELD PANTS / ¥10,290-


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岩谷 洸太郎 / 『ARCH』スタッフ
「“M-47″とは、その名の通り、1947年よりフランス軍にて採用されたミリタリーパンツの略称。大きく分類して、前期・中期・後期と3パターン存在する中でも、一番汎用性の高い後期にあたるタイプは、1960年頃より採用されたアイテムで、最大の特徴であるヘリンボーンツイル(杉綾織)が履き込むほどに味わい深い経年変化を見せてくれます。リアルな(本物の)軍パンだけに、見た目は細くありませんが、実際に着用すると不思議と野暮ったく見えないシルエットが特徴です。当店ではオープン当初から欠かすことのない定番アイテムとなっていますが、時代の経過と共に近年探し出すことが難しくなってきています。最近ではある一定のサイズしか揃わないことがほとんどのため、自分のサイズに合う物が見つかった際にはまとめ買いをする強者もいらっしゃいます。それほど一度手にすると他には代えられない、愛着の沸く一本です。」


M-47
フランス軍において1960年代に採用、支給されていた野戦用パンツ。使用生地が従来の厚手コットン素材からヘリンボーンツイル(杉綾織)となった最終型。生地感、シルエット、縫製仕様、デザインなど、そのクオリティはと完成度は高く、マルタン・マルジェラがM-47を裏返したリメイクパンツを発表したのは逸話となっている。



text Pilot Publishing / photograph Kei Furuse(studio k2)
July,2010



インタビュー(December,2009)
山内 公史 / ミサンガインターナショナル代表

>この時期にリニューアルされた理由を聞かせてください。
おかげさまで『アーチ』も今年で5周年を迎えることができましたが、もともとオープン当初から5年くらいを目処にリニューアルさせようと決めていたんですよね。

>内装で特にこだわった部分を教えてください。
ミリタリーはショップとしてのルーツですので、リニューアルに際してその要素を生かしながら組み立てていこうと内装デザイナーとも打ち合わせを重ねていて、内壁をフランス軍のテント生地で覆ったり、カウンターのストックもフランスの縫製工場で使われていたボックスだったりと、至るところにヴィンテージアイテムが内装や什器に用いられています。床は寄木張りといって、通常のフローリングは縦に木目を組み合わせて張られていますが、木目が斜めに張られています。ヨーロッパではわりと一般的な手法で、特に古い建物では寄木張りが多く使われているんですよね。昔からずっと取り入れたかったのですが、一面を張るのにも職人3人がかりで丸1日かかったりと、日程的にも予算的にも負担が大きいんですよ。あまり気づかれないかもしれませんが、目立たない細部にまでこだわりたかったんです。

>商品が陳列でなく展示されているように感じます。ショップの世界観がさらに深まり、以前と印象が大きく変わりました。
今まではわりと商品を主体にしていましたが、『アーチ・へリテイジ』という系列店も増え、それぞれが違うコンセプトで展開をしていく中で、『アーチ』がこれまで築いてきた世界観の奥行きをより具体的に表現したかったんです。

>確かに、店内が広がったから単純に商品量が増えたというわけでありません。
そうですね。今までにもイメージとしてはあたためながら、以前のままでは生かしきれずに保留させていて、リニューアルによってようやく取り扱いが実現できたブランドもいくつかあります。

>商品展開の具体的な変化について教えてください。
パリで直接買い付けるアナトミカは全国的に見ても豊富なラインナップになっています。スルタンは日本国内での知名度はあまり無いですが、ヴィンテージのミリタリーウェアをベースに作られた付加価値の高いブランドです。フランクリーダーは全国のセレクトショップでデザイナーズとして取り扱われていますが、ヴィンテージ・ミリタリー・ワークといったルーツを持ったブランドなので、セレクトの仕方としては古着と同じ目線で捉えていて、『アーチ』らしいセレクトになっています。ガーメントリプロダクション・オブ・ワーカーズは、貴重なヴィンテージのアーカイブをフランスの工場へ持ち込んで、当時の縫製仕様そのままに製作された究極の逸品で、今後の展開に期待しています。

>オープン当初から一貫して、古着が新品と同じ扱いでセレクトされ並べられています。
最近は世間一般的に古着が下火ですが、自分達がショップを始めた当時はアメカジが主流で、ヨーロッパ古着は全く普及されていませんでした。古着をセレクトしているのは現在でも変わりませんが、あくまでも古着屋としては捉えていません。古着や新品とジャンル分けをするのではなくて、その垣根を取り払いたいんですよね。オープン当初からその姿勢は少しもぶれていませんし、今後さらに突き進めていきたいと考えています。

>値段が比較的手頃な物から高価な物まで取り揃えられているので、学生から30代と客層も幅広いのも特徴的ですね。
値段でくくっていないというのが『アーチ』の大きな特徴かもしれません。ショップでは通常ターゲットに合わせたプライスゾーンを想定して、例えば下は15,000円から上は35,000円までとある程度の範囲を決めていると思うのですが、『アーチ』では下は1,000円から上は30万円の商品もあったりと、それは単純に商品としての価値で捉えているからです。価格が安いから品質が悪いのではなくて、安くて良い物もあるんですよね。

>知識と経験からなる、物の本質を見抜く確かな目が必要とされますね。

現在世の主流である大量生産・大量消費へのアンチテーゼとして、歴史やこだわりなど背景を感じさせるハンドメイドやクラフトなどのアイテムをセレクトしています。例えば、アイルランドで手織りで作られているツイードの帽子や、ヴィンテージの生地を使ったものだったりと、今の時代に対して真逆な、すごく隙間なところで、高価でも良い物は良いという提案をしています。もともと世間一般的に幅広く理解される世界ではありませんから、だとしたらそのテイストが好きな人達に対して満足していただける商品をどれだけ提供できるかを意識しているので、そうなると値段だけではくくれないんですよね。

>近年、流行の変化が著しく急速ですが、ショップとしてどのように捉えられていますか?
ファッションのトレンドからすると完全に外れているんですよね。でも、それが『アーチ』の良さだと思います。ブランドが増えてもスタイル的には全く変わらないし、根底にあるコンセプトは一緒なんです。『アーチ・ヘリテイジ』は”10年後のクローゼットに残っている洋服”というコンセプトで提案していますが、永く着られるものや着ていくうちに愛着が沸くものという部分では『アーチ』も共通しています。『アーチ・ヘリテイジ』は時代感も見据えながら、今のファッションにも取り入れられる商品を取り揃えていますが、『アーチ』は独自の世界観を追求しているのが違いですね。見る方によっては古くさいと感じられるかもしれませんが、興味のある方にはきっと魅力的な品揃えになっているはずです。

>路面店は個性が強いほど面白いですよね。では最後に、今後の展開について聞かせてください。
ショップの提案や世界観を突き詰めているからこそ、スタッフがきちんとした知識を持って接客をしなければお客様へ届きません。商品に対する背景をもっと深く掘り下げて伝えていきたいですね。アメリカ・イギリス・フランスなど国内外から様々な商品をセレクトしていますが、重要なのは『アーチ』というフィルターをしっかりと通していること、『アーチ』が作るスタイリングが他とは明確に差別化されていることなんです。ショップの”ファン”を地道に、そして着実に増やしていきたいんですよね。


text Pilot Publishing / photograph Kei Furuse(studio k2)
December,2009



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