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プロダクト 杉屋珈琲
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プロダクト『杉屋珈琲』(札幌市)


住所 北海道札幌市西区西野7条1丁目4-11
営業時間 11:00〜19:00
定休 土曜日・日曜日・祝日
電話 011-663-7982
Eメール sugiyanomame@ezweb.ne.jp


珈琲へのこだわりを追求し続け、辿り着いたのはただひたすらにシンプル。機械に頼らず、人間の手もできる限り排除。良質な豆をしっかりと火に当て焼き上げ、鮮度の良いうちにパック。ひたむきな努力と真摯なまじめさが作り出す、極上の香りと味わい。その杉屋珈琲を、マグカップだけあれば味わえる“ドリップパック”が新登場。濃い珈琲をしっかり味わって欲しいと、スーパーなど市販のものより増量。ノベルティやプレゼントとしても好評。ささやかな至福のひとときは、きっと喜ばれること受け合い。

『杉屋珈琲 ドリップパック』
1パック | ¥140-
※50パックから注文可
※ブレンド11種類(浅煎り、中煎り、強煎り、深煎り、他)からお好み一種をセレクト。






Interview(December,2009)
杉谷 昌樹/『杉屋珈琲』

>まずは独立されるまでの経緯を聞かせてください。
もともとは珈琲の卸会社に務めるサラリーマンでした。とはいっても結局、東京で焼いた豆を地方へ流通させて販売しているので、どうしても鮮度が落ちてしまいますし、営業で売り込みへ行っても、製品化されて味も決まっていますから、細かな注文までは対応しきれませんでした。逆に、地元で焙煎している同業者へ流れてしまうようなことが続いていたんです。そんな頃に鮮度の良い豆を味わってみたくて、自分で焼き出したんです。1キロのガス釜焙煎機を買ってきて、それからは焼いて、飲んでの繰り返しでした。でも、豆1キロあたり100杯分焙煎できますから、飲みきれなくて御近所や当時のクライアントさんへ配っていたんです。すると思いの他に評判が良くて、焼いて欲しいという引き合いが多くなってきたんです。朝からサラリーマンをして、夜に帰ってきてから趣味で焙煎をしていたのですが、それが追いつかなくなってきたんですよ。毎日、夜通しで焙煎している状態になってしまって。当時はカフェブームも一段落して、喫茶店も飽和状態になっていた時期でした。それで会社も下降気味でしたし、この機会に自分で独立してみようと決意しました。

>趣味とはいえ、焙煎機まで買うまではなかなかできません。
1キロのガス釜焙煎機とはいえ、それでも何十万円しました。何も知らないイチから始めたので、試行錯誤の繰り返しでしたね。最初は家のガスレンジの所へガスを引いて焙煎してみたのですが、焼いてみたら皮が飛び散ってすごいんですよ。キッチンがめちゃくちゃにしてしまいました(笑)。

>現在は御自宅の地下を改装されて職場にされていますね。
自分で独立を決めた時に、設計を起こして、全部まるごと改装しました。

>焙煎される上で特にこだわられていることは?
あまり難しく考えすぎないようにしています。僕も最初はそうでした。今でこそ焙煎に関してのレクチャーもいろいろ出されていますが、当時はまだほとんどありませんでした。それで試行錯誤しながら、自分の勝手な思い込みでやっていたんです。温度がこれくらいで、排気もああしてって。そんな時、東京から仕入れ先の社長さんが用事のついでに立ち寄ってくれたんです。そして僕が焙煎しているのを見て、「豆なんてシンプルに焼いた方が上手いんだよ。機械なんてそのためにあるんだから。人間の手を加えてしまうと味が変わっちゃうよ。」とアドバイスしてくださったんです。目から鱗というか、目が覚めるような思いでした。それからは常にシンプル。そしたら数段旨くなりました。人間の余計な手を加えてしまうと、味がまとまらなくて、ベースがわからなくなってしまうんです。だから今は逆にこだわりは持っていません。良い豆を仕入れて、その豆にしっかり火を当てて焼き上げて、鮮度の良いうちに消費していく、それだけですね。

>以前から珈琲がお好きだったのですか?
僕はもともと珈琲が好きで珈琲屋へ就職をしたのではなくて、とりあえず入社できたのが珈琲屋だったんです。それこそ営業をやっていましたので、先々で珈琲を飲むようになりました。実は珈琲もあまり得意ではなくて、飲むにもミルクと砂糖を入れていました。それで、ある時に尋ねたお得意先からそれでは味がわからないだろうと言われて飲んでいくうちに、少しづつ味がわかるようになってきて、いつのまにか珈琲が好きになっていたんです。自分でも信じられないですね、珈琲屋をやっているなんて。だから職人ぽくされたり、いかにもみたいなのは絶対に嫌ですね。こだわりを持たないとは言っても、持っているからこそやっているわけですから。じゃなかったら、こんなに割の合わない仕事していません。

>豆の種類や焙煎の仕方など組み合わせは無限ですが、どのようにして御自分の味を作られたのでしょうか?
そうですね。豆のサンプルを作って、お客様みんなの意見を聞いていくと、自分の味がぶれてしまうんです。そこで違うねとか言われてしまうと、また合わせて作ってしまうんですけれど、それが続いていくとノイローゼみたいになってしまったんです。結局は自分の豆というのが無くなってしまって、いろんな豆、いろんな味になってしまったんです。うちの豆はこうだからと自信を持っておすすめできるようになったのは、本当にごく最近ですね。

>良かれという人の意見によって、逆に自分の目指していたものがブレてしまう場合もあるかもしれませんね。
嗜好品ですから合わない人にはどうしても合わないと思うんです。ただ、自分の好みに近い方には多分受け入れていただけるかと思います。

>鮮度の良い物を見分ける方法はあるのでしょうか?
珈琲へ湯を通して、膨らまなかったら劣化した豆です。いわゆる“おまんじゅう”ができないんです。珈琲は生き物で、常に炭酸ガスを出します。大手メーカーの商品でも、焼きたての豆を挽いてパックするんですけれど、そのまま窒素を充填してもぱんぱんに破裂するくらい膨れてしまいます。どうするかというと、挽いた粉をガス抜きのためにしばらく放置するんです。しっかりガスが抜けた時点で、エイジレスを入れたり、窒素を充填するなりして、それをパックして市場に出すんです。その時点で焼いてから時間が経ってしまっていますので、鮮度はどうしても落ちてしまいます。それは大量生産なので仕方のないことなんですけれど。

>市販の豆はあまり泡が膨らまず、パッケージの写真のようにはなりませんよね。購入する際してのアドバイスはありますか?
小買いすることでしょうか。1週間に飲む量を大体わかっていると思いますので、それくらいづつこまめに買って消費していくと良いかと思います。

>珈琲は種類も値段も様々で、選ぶのに迷ってしまいます。
例えば、ブルーマウンテンの値段が高いのは、量が取れにくいので希少価値が高いためで、だからといって一概に旨いわけではありません。そういう誤解をされている方もまだ多いですね。だから値段が安いから不味いというわけでは決してないんです。最近は良心的なお店も多いですから。

>美味しい珈琲の入れ方を教えてください。
自分の好きなカップに、熱湯を注いであたためてください。それだけで舌ざわりや酸味が変わってくると思います。お湯を捨てたら、ドリップパックをセットして、ゆすりながら中の粉を平らにしていきます。真ん中に小指くらいの窪みをつけて、そこへ90度前後のお湯をゆっくりたらしていきます。熱すぎると苦味が増してしまいますので注意してください。ぽたぽたとたらしながら蒸らして20秒くらい。そこからちょろちょろと数回に分けてお好みの量を注いでいきます。一般的にはお湯の量が120ccくらいが適量とされています。

>最近は自家焙煎のショップも多く見かけます。
札幌は特に多いですね。それだけ珈琲を飲まれる方が増えて、スーパーで買っていたのが専門店で買うようになって、一杯一杯落として飲むようになったということですから。最近の珈琲屋はすごいですね。珈琲の知識もたくさん頭に入っていて。昔は店頭に置いて対面販売が主流でしたけれど、今はイート・イン・スペースを設けているところも多いですよね。珈琲の質は全体的に上がっているように感じます。商売上は嫌ですよ(笑)。人口のわりに珈琲屋ばかり増えて、しのぎを削り合うわけですから。

>最近は珈琲を飲む若者が減っていると聞いたことがあります。
10代は少ないですね。確かに若い方達にはあまり飲まれていないかもしれません。絶対的に女性ではあるんですけれど、20代から30代くらいのお客様が多いです。僕たちの世代は喫茶店をよく利用していましたよ。僕がギリギリかもしれないんですけれど、僕から上の世代は喫茶店での珈琲文化が根付いていました。僕らの時代は“カフェ”ではありませんでしたから(笑)。昔はデートといったら、携帯電話なんてありませんし、喫茶店で待ち合わせをしていたんです。初デートでも、珈琲なんて苦くて飲めないけれど、見栄で飲むみたいな時代だったんです。僕も学生時代はよくモーニングを食べてました。一癖も二癖もあるようなマスターがいて。ゲームが置いてあって、インベーダーゲームと麻雀、あとポーカー。メニューはトーストとパフェと、あとナポリタン。漫画も重要で、本棚に絶対あるのが『ゴルゴ13』と『島耕作』と『ハローハリネズミ』(笑)。

>座り心地の良い、赤いベロアのソファ…(笑)。喫茶店のあり方、距離感が現在とはかなり違っていますね。
全然違いますね。最近の若い方ってどのお店へ行ってもカウンターには座りませんよね。昔はカウンターには常連客がいて、世代も職業も違うんですけれど、そこでつながりを持てるのが良かったんだと思うんです。コンビニもありませんでしたし、当時はランチを食べるといっても、蕎麦屋かラーメン屋か、喫茶店しかありませんでしたから。朝、出勤する前にモーニングを食べながら新聞を読むんです。そして昼には日替わりランチを食べて。ポケベルが鳴ったらお店の電話を借りて、商談も喫茶店ですよ。オフィスコーヒーなんてまだ無かった時代ですから、お客さんがいらしたら喫茶店へ行くという時代だったんです。今では考えられませんけれど、昔の喫茶店はとても魅力的でしたね。

>今でいう“純喫茶”ってすごく落ち着きますよね。
なんでしょうね(笑)。

>不思議なことに、女性にはあの感覚があまり伝わらないようですね。
女性がいるとしたら、保険の外交員の方ですよね(笑)。

>ところで、最近発売されたドリップパックが好評とのことですね。
おかげさまで評判が良いです。珈琲もグラムを増量しているので、マグカップで飲めてしまうんです。スーパーなどで出まわっているものは7〜8グラムで、膨らまない程度に作られているんですけれど、うちはあくまで濃い珈琲を飲んでいただくために5グラムくらい増量していますので、ありがた迷惑で落とすのが大変なんです(笑)。普通は2〜3回落とせば良いところを、うちは6回〜7回お湯を入れなければ落とせませんので。鮮度が良いから泡が膨らんで溢れてしまいますし。でも、それも逆に楽しみかなって思っています。ちょろちょろと落とすのでうまく中で滞留して、濃い珈琲が落ちてくれるんですよ。

>用意するのはカップだけ。フィルターなど特別な準備も必要なくて便利です。
個人的にはアウトドアでも重宝しているのですが、外で飲むのもまた格別です。ノベルティや贈り物など、様々なシテュエーションで珈琲を楽しんでいただけたら嬉しいですね。


text pilot publishing/photograph kei furuse(studio k2)
December,2009



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  1. Pingback from MIZZOのコーヒーはオリジナルブレンド!? | ヘアサロン MIZZO(ミッゾ) | 札幌市豊平区月寒中央の美容室 2013年3月7日 @ 10:16 AM

    […] 杉谷コーヒーさん http://www.pilotfree.com/people_creative/sugiyacoffee/ […]



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