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ブランド『KARNAT’S』


染め・刺繍・リメイクなどを施した一点モノの洋服を中心に展開するブランド『カーナッツ』。 自然や民族からのインスピレーションを得て、丁寧にハンドワークによるカスタイマイズを施し、 服・靴・小物・人形など、世界にひとつだけの作品を制作。最大の特徴でもある色の世界は、何重にも色を重ねる染色や、曼荼羅を連想させる刺繍、シルクスクリーンやハンドペイントといった様々な手法の組み合わせで表現され、記憶に残る個性豊かな作品となっている。手作業ならではの暖かさと独特の色彩感覚は、 洋服という枠を超え、見る者を引き込む。


インタビュー(December,2009)
カーコ / 『KARNAT’S』デザイナー


>まずはブランドを始められた経緯について聞かせてください。

もともとは服飾系の学校を卒業して、その流れでアパレルの販売をしていたんですけれど、仕事を辞めた時にリメイクの洋服を作ってみたのが始まりです。一番最初に出来たのが刺繍を入れたパーカで、それを古着屋さんに置いていただいたら、気に入って買っていただけたんです。それで味をしめて、それからずっと作り続けていますね。その後に旅へ出たのをきっかけに、布やボタンや民芸品だったり、いろいろな素材を集めてきて、今は刺繍をメインにその時に気になったものを作っています。作っては旅に出てを繰り返している感じです。

>旅の中からインスピレーションを受けている?
そうですね。旅先で小さな村へ立ち寄って、そこで暮らす人たちの生活ぶりを見たりしていると、ボロボロの洋服や民族衣装が風土と合わさって、すごく格好良かったりするんですよね。意味や知恵のあるモノが多く驚かされます。自然や民族から影響を受けることは多いです。

>ブランド名の由来は?
わたしがカナコという名前なので、自分の名前をちょっと変形させた呼び名です。ブランド名もずっと経って、必要になってから付けたんですよね。呼びやすい名前を意識しました。

>その頃はまだタグも付いていたなかった?
今でもタグも何も付いていないんですけれど…(笑)。始めの頃は刺繍を入れていただけだったのですが、後から染めやプリントも始めました。実験を繰り返して今も実験中です。学校で教わったり、誰かから習ったりしているわけではないので、すべて独学で試行錯誤してきました。

>ブランドとしてのコンセプトはありますか?
時間をかけてひとつひとつ手作りで作っていくことですね。あとは色です。染めもそうですけれど、きれいに出すよりも色を重ねて、落として重ねての繰り返しで、自然なグラデーションが出るようにとか、色はすごく気にしながら作っています。染めも一回では終わらせず、何度も重ねることが多いですね。糸から染めて作ることもあります。

>カラーリングの発色や組み合わせがすごく印象的ですね。
色は好きですね。その日の気分で選ぶ色も変わってくるので、やっぱり自分の気持ちが作っているモノにも表れているし、逆に買っていただく人もいろんな色がある中から選ぶので、お互いにその時の精神状態が関わってきていると思います。

>色数やバリエーションもすごく多いですね。
小さい頃は好きな色を無意識に使っていたんですけれど、今は色彩学や色彩心理学をちょっとだけ勉強してみて、その上で作っていたりしています。色を選ぶのにもやっぱり原因があると思うので、そういう色のバランスを考えたりしています。あとは色落ちや生活の中で付く汚れなど、着ていくうちに変化していく色・質感も楽しんで、長く着てもらえると嬉しいです。作って終わりではなくて、そういうところも意識していますね。

>個性的な絵柄はどのように生まれているのですか?
丸や幾何学的な模様が多いのですが、基本的にフリーハンドで、その時の気分です。いろいろなプリミティブアートからの影響を受けていますが、図案とかはないので同じものは作れなかったりします。

>その時々の感覚を大事にされている?
そうですね。ちょっと手芸ものだけれど、常に新しい表現をいつも追求しています。全部共通しているのは、素材、質感、色、立体感の組み合わせですね。

>ハンドメイドならではの一点モノというのも贅沢ですね。
その時にある素材も、もう手に入らないものも少なくないので、ひとつひとつの素材を大事に扱って特別な一点を作ることを意識しています。

>異なる素材の組み合わせも楽しいです。
いろんな素材があって、それを組み合わせて、どんな形になるのかを考えている時が一番楽しいですね。それを形にするというのが刺繍だと長い長い単純作業の繰り返しです。完成形がすでに頭にあるとスムーズに作業ができるんですよね。素材との組み合わせや違う使い道というのは常に考えています。難しい問題を解いている感覚に近いかもしれません。

>イメージが思い浮かんでいても、思い通りにならないこともありますか?
ど素人なので大失敗もよくしたりしているんですけど、今度はそれを使って成功させるにはとか、これが格好良くなるにはどうしたら良いのかを考えるので、それがまたひとつの素材になるんですよね。

>失敗したものも素材に変わってしまうんですね!
例えば、Tシャツを自分で刷っていて、インクの混ぜ方とかも適当で毎回違うんですけれど、失敗したとしてもそれをひとつの材料として取っておいて、刻んで何かの中に詰める素材だったりとか、それを裂いて編んで糸にしたりしています。要は貧乏性なんですよね…(笑)。

>キャラクターの”ギルティ”(※)はリサイクルをコンセプトに生まれたそうですね。
最初から商品にしようと考えて作ったわけではなくて、余っている端切れとかをなんとか再利用できないかと考えていて、中に詰められる何かを作ろうとこの形に辿り着いたんですよね。同じ様に手作業で作られた材料だと思うと、小さい糸になっても捨てられなくて、そういう端切れが中に詰められています。できればリサイクルは今後もきちんとした形で取り組んでいきたいなと考えています。

>”ギルティ”の名前にもメッセージ性を感じますが?
あまり意味は無いんです。”罪”とか”有罪”という意味らしいですけど、知らずになんとなく付けていたら、後で人から教えていただいて。ああ、そうだったんだみたいな…(笑)。

>ブランドとしてのこだわりはありますか?
例えば、”ギルティ”をひとつ持って旅へ出て、出会った人にプレゼントしたりとか写真を撮ったり、作った後も楽しむことです。買っていただいた方も好きなように楽しんでくれていたらいいですね。

>自分がやりたいことをやりたいように活動されている?
そうです。たまたま入ったのが服飾系の学校で、ミシンを使えるようになったから洋服を作っています。洋服だけにこだわっているわけでもなく、何か一つのものだけを作ろうとは考えていません。自分の表現ができるなら、どんな形でも良かったんです。それは今でも変わらなくて、いつか料理もきちんとやってみたいと思っています。お皿の中で素材や色を組み合わせたりするのと近いので。

>モノを作ることが本当にお好きなんですね。
基本的に何でも自分で作るのが好きで、そうじゃないと気が済まなかったりもしますね。例えば、料理を作るにしても、材料の野菜から作ったり、酵母からパンを作ったり、まず水を汲みに行ってみたいな行程がないと、自信を持って人へ提供できないんですよ。素材をどう組み合わせるかを考えるのが楽しかったり。多分、そこが洋服だけのカテゴリーにこだわっていないのと近くて、仕事として考えていないけれど、プライベートとしても考えていなくて一色単なんですよね。プライベートで旅をしている気になっていても、結局探しているのは材料だったりするので、全部一緒なんですよね。

>モノを作る上でとことん突き詰められているんですね。
そうですね、頑固なんです(笑)。

>地元・北海道を拠点に活動されている理由について聞かせてください。
田舎が良いというのはありますけど、場所はどこでも良くて、そこはこだわっていないですね。旅へ出て、そこで暮らしてみたいという場所はまだ出会っていません。生まれて育った場所で活動している感じですね。材料が手に入って、動きやすかったらどこでも良いんですよね。

>では最後に、今後の展開について聞かせてください。
旅をしながら今まで通り自分のペースでモノを作っていければいいと思います。リメイクブランドなので、捨ててしまうようなモノを大切なモノへ変えていきたいです。


※ “ギルティ”
一部にリサイクルの材料を使用したカーナッツのキャラクター。 一つ一つカラフルな羊毛を差し込んで作るボディの綿や、ボタンを使った目には、ニット製品やクッションなどの綿、洋服やぬいぐるみなどのボタンなど、リサイクルされた材料が使われている。 物を捨てない、再利用する といった考えを広めていきたいという想いから生まれたギルティは、世界中をたくさんの人達と一緒に旅をして、自然を大切にする活動を行っている。

<取り扱い店>
『SEEK』
住所 北海道札幌市中央区南2条西1丁目(狸小路1丁目内)
営業時間 平日12:00〜20:00 / 土曜日・日曜日・祝日11:00〜20:00
定休日 不定休
電話 011-251-9881
ウェブサイト http://www.seekclothings.com




photograph Kei Furuse(studio k2)
Dedember,2009



RSS Comments 2 Tweet

  1. Comment by たけだゆ (@kanicopekuu) 2012年2月7日 @ 10:05 AM

    トップの写真で整列してるこのキャラクターがツボだ。くぁわいい…/// ブランド『KARNAT’S』|Pilot web http://t.co/EvZ3849E @pilot_tweetさんから


  2. Comment by LITTLEKIT (@LITTLEKIT) 2012年2月8日 @ 7:01 PM

    ブランド『KARNAT’S』|Pilot web http://t.co/6hkbqsUw @pilot_tweetさんから



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