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プロダクト『コアップガラナ』


会社 『株式会社 小原』函館工場
住所 北海道亀田郡七飯町字中島29-2
電話 0138-65-6545

日本でガラナ飲料の生産が始まったのは1958年頃。第2次世界大戦後、アメリカのコーラの普及に危機感を抱いた飲料水製造を行う中小企業は、対抗する清涼飲料水としてガラナに注目。そして、ブラジル大使館の指導のもと、『全国清涼飲料協同組合連合会』(現在は『日本コアップ 株式会社』として独立)が、「コアップガラナ」を統一商標とし、全国の中小飲料水製造業者が日本人の味覚に合うようリメイクを加えて製造販売した。だが、輸入解禁されるとコーラは「コアップガラナ」よりも遥かに高い生産率を誇ったため、ほとんどの地域で「コアップガラナ」は普及しなかったが、コーラの製造が他の都府県に比べて遅かった北海道では、もともと炭酸飲料を好む道民性もあり一足先に定着。以来、現在に至るまで北海道では特産品的な飲料となるほど受け入れられている。本州でも数社の認定メーカーがわずかに製造を続けているが、9割以上のコアップガラナは北海道・函館の『株式会社 小原』が製造。現在、道内のコンビニやスーパーでよく見かけるガラナは、『株式会社 小原』の「コアップガラナ」と、苫小牧『株式会社 丸善市町』の「ガラナエール」。大手メーカーでは『キリン』が北海道限定で販売している。


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インタビュー(August,2006)
大下 正治 / 『株式会社 小原』工場長

特産品として道民に親しまれている、昔懐かしい炭酸飲料“ガラナ”。北海道で生産されるガラナ飲料は、なんと国内の9割以上ものシェアを誇るという。北海道だけで根付いているのはなぜ…?そもそもガラナって…?そのルーツを探るべく、『コアップガラナ』の老舗・株式会社小原を訪ねた。

>アメリカから『コカ・コーラ』が日本に上陸する際の対抗馬としてガラナが選ばれたのはどうしてだったのでしょうか?

昭和33年頃、当時ラムネやソーダを作っていた各地のメーカーの組合・全国清涼飲料工業会は、コーラに対抗する商品を協同開発することになったんです。いろいろと検討を続けていく中で、どこの国でもやはりコーラが普及されていたのですが、ガラナが飲まれているブラジルだけはコーラが苦戦していたとブラジル大使館を通して情報が入ってきたんですね。それでガラナが選ばれたわけです。

>『コアップガラナ』に冠されている“コアップ”とはどういう意味なのでしょうか?
“Co-up(コアップ)”は”Cooperation(協同)”と”Up(高揚)”を合わせた造語で、組合認定のガラナ飲料の統一ブランド名なんです。中小企業の集まりですから、関東や九州、東北と全国から何社か選ばれて、私どもも北海道から2社の中に選ばれました。その頃、私どものような会社は全国的にも珍しくなかったのですが、どんどん廃業されていって、現状でガラナを主体として経営を続けている企業は私どもくらい。現在ではコアップガラナに関しては、市場の割合の約98%を占めています。

>当時そのままに復刻された、日本のガラナ第一号の瓶はとても印象的です。
京都の舞妓さんを、女性の和服姿をモチーフにデザインされているんですよ。ペットボトルは手軽で便利なのですが、炭酸の吸収率が高いので、炭酸飲料はやはり瓶が美味しいですね。

>ガラナの味はその当時と変わっているのでしょうか?
現在は何にも手を加えているわけでもありませんし、味もまったく変わっていませんけれど、やはり最初はすごく苦労しました。最近は他社さんで『こどもビール』という商品があるのですが、似た感じでした。リンゴ果汁を入れてみたり、いろいろなエッセンスを混ぜたりしながら試行錯誤していましたね。中小企業の集まりだった『コアップ』は、商標登録こそされていたものの統一ブランドではありませんでしたので、各地方で味は規定していなかったんですよ。ですから、私も会社に入った当時に「コーラを作れ!」と言われていたこともあります…(笑)。私どもですと『パレードコーラ』という商品も作っていましたけれど、やっぱりコーラにはかないませんでしたね。やはりガラナを大事にしていこうと気が付いてからは真剣に取り組みました。現在の味に落ち着き始めたのは、ウイスキーにあった“ガラハイ”がヒントになりました。その頃、ウイスキーがすごく人気があって、今でいうチューハイのように、”ガラハイ”といってガラナで割って飲んでたんですよね。だから私どものガラナはシャンパン風に仕上がっていると思います。他にも、保存料をなるべく使わないとか、できる限り天然の素材を使用するなど気を付けています。

>原料には北海道産の素材が使われているそうですね?
甘味料には北海道産のジャガイモを原料とする液糖が、水は駒ヶ岳山麓の天然水が使われています。素材は北海道で育った物を使って、どういう素材をを使っているのかを消費者のみなさんへはっきりと表示しています。消費者のみなさんから「いつ飲んでも味が変わっていないですね、大事にしてください。」との励ましの声を多くいただいています。ですから、私どもも時代の流れに合わせて…とかいろいろと考えることもあるのですが、ちょっと頑固なところで変わらずにやっています。まあ、この先はわかりませんけれど…(笑)。消費者や市場に出して飲まれなかったら意味がないので、やっぱり飲まれるものに改良していかないといけません。そういう部分も含めながら常に検討はしてきています。消費者のみなさまの要望にお答えして、スポット的に出している季節限定の『夏ガラナ』や『冬の白いガラナ』も御好評をいただいております。

>変わらないというスタンスを柔軟に守り続けているんですね。ガラナが北海道で定着した理由についてはどのように考えられていますか?
最近はコーヒーやお茶、水などの種類も多くて、炭酸飲料は品数も少ないですけれど、ある統計から調べると全国的にも北海道と九州は炭酸飲料がすごく飲まれているんです。もともとそういう道民性もあったんでしょうね。販売を始めた当初の頃はまったくと言っていいほどお店でも見かけませんでしたが、少しづつ列車の車内販売やお土産として販売していただけるようになりました。それから先ほどもお話した“ガラハイ”が流行したり、漁師さんの間で人気があったりする中で、自然と子どもさんや家族の方が飲まれる機会も多かったみたいですね。その当時はなかなか宣伝もできなかったのですが、ありがたいことにクチコミで少しづつ広まっていきました。

>北海道らしい要因が様々に重なっていますね。
コーラが北海道へ上陸する前にガラナの味や存在を、道民のみなさんにしっかりと植え付けていただけたのも大きかったのですが、その後も圧倒的な人気を集めたコーラと対比されたのも良かったと思うんです。コーラがあったからこそ、相乗効果でうまく取り上げていただけたんです。また、他社さんがガラナ市場へ参入してくれたことも良い宣伝になり、消費者のみなさまにガラナという名前を覚えていただけたのではないかと思います。

>現在では国内で9割ものシェアを誇り、北海道の特産品として全国へ発信されているのは素晴らしいです。
だからと言って、これまで順風に来ているかといえばそうではありませんし、低迷した時期もありました。私どもも独占しようなんて考えておりませんし、大手さんがやろうとされるなら味も似たように作れると思います。ただ、私どもも時代の流れとともにガラナの歴史を作り上げてきました。これからも道民のみなさんに愛される『コアップガラナ』を変わらずに作り続けていくつもりです。最近では特産品として、北海道へ来られた際のお土産ですとか、インターネットで興味を持っていただいたり、本州のデパートやスーパーでは北海道フェアといった催事へお誘いいただいたりと、お陰様で様々なところでガラナを取り上げていただいています。世代を超えてつながってきているのは大変嬉しいことですし、私どもとしてもやはり地元である北海道産というのは大事にしていきたいと考えています。


photograph Akihito Yamamoto(harebare syashin)
August,2006





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