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プロダクト『SYNAPSE compilation “emergence”』


札幌で活動する新鋭アーティストが集う注目のコンピレーション『emergence』が、札幌のクラブミュージックをリードする新鋭レーベル『SYNAPSE』からリリース。クラブミュージックシーンにおいてすでに全国区の知名度を誇るKUNIYUKI TAKAHASHIのアンビエントプロジェクト・KOSSやNaohito Uchiyama、札幌のヒップホップ集団・MIC JACK PRODUCTION周辺の注目のトラックメイカー・KEI(REBEL MUSICAL)、生楽器とエレクトロニクスの個性的サウンドがエレクトロニカシーンで高い評価を得るバンドユニット・qodibopをはじめ、札幌をベースに今後全国区の知名度を獲得するであろう新しい才能のBirdcageやKatsuhiko、Takaaki Suzuki、olololopの作品を収録。テクノ、アンビエント、エレクトロニカとそれぞれのアーティストのサウンドは異なるものの、札幌のアーティスト特有の透明感や壮大なサウンドを一貫して感じさせる作品となっている。


インタビュー(December,2009)
RYUTA YOSHIDA / 『SYNAPSE』プロデューサー


>まずはコンピレーション『emergence』をリリースされるまでの経緯について聞かせてください。

もともと2006年に『SYNAPSE』をまわりの仲間達と立ち上げてから、『PROVO』や『PRECIOUS HALL』でのレギュラーパーティー、またfm northwaveでのプログラム”radio synapse”もスタートして、長い年月が経つ間にみんなそれぞれのヴィジョンが見えてきて、もともと作曲ベースで活動していたアーティストもいたし、DJだけで活動をしていたアーティストも作曲をしないと将来的な展望が見えてこなかったりしたので、自分自身としてもレーベルをやりたいという強い意思が生まれてきました。そして、レーベル『SYNAPSE』が発足して昨年の年末にNaohito Uchiyamaの2ndアルバム『the sun also rises』をリリースすることができて、次のリリースは今いる仲間達と一枚コンピレーションCDを作りたいとすで構想は練っていんですよね。『SYNAPSE』には現在、所属アーティストが6組いて、そのうち作曲をしているアーティストが4組いるけれど、全てではなくても時々すごく素晴らしい曲が生まれてくる。だから今回のコンピレーションという形はすごくフィットしていて、札幌を音楽都市にしていこうという目標の中で、『SYNAPSE』メンバー以外も含めて、札幌にはクオリティの高い曲を作るアーティストが多いから、それを一枚にまとめて世界へ発信していこうと必然的に集まりました。

>構想はいつ頃から考えられていたのですか?
Naohito Uchiyamaのアルバムをリリースする以前から2枚目のことは考えていました。リリース順は逆の選択肢もあったけれど、一枚目からコンピレーションというのは自分の中では違っていて、Naohito Uchiyamaは今『SYNAPSE』の看板アーティストとして最前線で活動してくれていて、フルの世界観をしっかりと伝えられた方が聴く側にとっても説得力があったし、まずは順番としてフルアルバムからリリースしたかったんです。

>『SYNAPSE』のメンバーを中心に、札幌を拠点に活動をされているアーティストが参加されています。
今回はレーベルとしてもまだ2枚目だし、身近な仲間達の表現が東京や日本全国、世界へ届くことが自分の目標や幸せでもあるから、それをベースに考えています。音楽が良くてもあまり関わりのないアーティストにはあえて声は掛けず、まわりのこれから真剣に音楽をやって生きていこうというアーティストに限定して、さらに自分が納得できる楽曲のみをコンパイルしました。

>今作のコンセプトはありましたか?
タイトルは”創発”という意味なんだけれど、各々の活動を通じて知らないうちに刺激し合ったりしているとすごくレベルアップできるし、まったく予期せぬものができあがる、そういう中から産まれてきたという意味でタイトルに冠しました。だから、この数年間でのお互いの関わり合いによってメンバーのレベルが上がったという意味も含まれています。特にこういうコンセプトがあるから曲を作って欲しいとメンバーへ頼んだわけではなくて、『SYNAPSE』という活動をこれまでずっと続けてきている中で、ある程度の空気はもうお互いに理解しているからこそ、その上で自分の好きな曲を持ってきてくれて完成したのがこの作品です。

>曲がすごくバラエティに富んでいるけれど、ひとつの世界観にまとまっています。
お互いの音楽がそんなにすれ違っていたら一緒にはできないと思うし、それが『SYNAPSE』というフィルターによって統一感が出たのかもしれません。

>作品を制作する上でのこだわりはありましたか?
音源になるのが今回初のアーティストもいて、この作品がきっかけとなって全国に活動が知れることで、アーティストの認知度やモチベーションも上がって、次の活動へつなげてもらえれば良いなと考えています。とにかく出しっ放しでは終わらないことかな。今回限りで終わらせないで、同じ札幌にいる以上は今後も応援していくし、この作品のリリースがきっかけとなって次のアクションを起こせるようにつなげていきたいです。

>今作の聴きどころは?
流れ自体はかなり考えて作ったし、曲はやっぱり自分でコンパイルしたからみんな好き。もちろんダメ出しもしたし、逆に一発OKもあるし、それぞれに思い入れもあります。一枚目だからもっとレベルアップしていくだろうし、まだまだ完成系ではないので、メンバーもこれから新しい展開に発展していくと思うし期待しています。

>プロデューサーという役割についてはどのように捉えられていますか?
自分はプロデューサーとしてアーティストとは一線を画していて、ただの寄せ集めにならないために、バランスを取る役割の部分で自分がいるんだけれど、やっていることが違うだけで各々の役割を全うしなければいけないし、メンバーが良い曲を持ってくるほどしっかりやらなければいけないと気が引き締まりました。むしろメンバーが行動する前に自分が動いて、自分が行動している上で煽って動かすというのが『PROVO』のコンセプトなので、みんなを引っ張っていけるようにいろんな可能性を提示してあげたり、切り開いていきたいとは常に考えています。

>レーベルについてはどのように展開されていますか?
周知のようにCDが売れない時代に突入していて、ベストは音楽家が音楽を作って暮らしていける環境なんだけれど、自分達が今やっているような音楽は日本のポップシーンとは全くかけ離れたところにあって、やっぱりヨーロッパ主流の音楽だと思うから、日本の評価だけで彼らが音楽を諦めるような状況にはしたくないんですよね。世界の人に聴いてもらってダメだったらダメで良いんだけど、まずは聴いてみてもらいたい。『MySpase』や『YouTube』とかウェブ上では少しづつ情報が伝わりやすくはなっているけれど、アマチュアレベルとも全て横並びだから、レーベルとしては札幌の音楽を世界へ届けて、もっと言うとお金を世界から回収して札幌へ落としたいと考えているんですよね。

>今作はどのように流通されるのですか?
国内はもちろんCDで全国流通、国外はデジタルリリースから世界流通をスタートしていて、『itunes』をはじめ20数サイトでダウンロードが開始されます。

>クラブミュージックでのインディーズレーベルは全国的にも珍しいですね。
テクノとかダンスミュージックのレーベルに関して言うと、日本にはまだそんなに数があるわけではないんですよね。例えば、ドイツのケルンに『Kompakt』というミニマルの名門レーベルがあって、ケルン自体は人口が100万人くらいで、札幌の半分の人口の街から世界トップクラスのレーベルを運営しているというのを知った時は衝撃を受けた!札幌から世界レベルのレーベルを目指す自信にもなったし。だとすると、本当に良いクオリティのものをコンスタントに続けていって、無理さえしなければ潰れたりしないと思うので、とりあえず日本を代表するレーベルを目指します!

>北海道の音楽シーンについてはどのように感じられていますか?
昔からハウスが強いんじゃないかな。日本全体でいうとクラブは間違いなく縮小化してきているれけど、決して無くなってしまうものではないから。パーティーはみんなの意思が伝わってひとつの空間を作るんだけれど、札幌はそれが詰め込みやすいキャパと街のサイズだから、すごく良いバイブスが生まれるんじゃないかと信じています。アーティストを含めてオーガナイズしている側も音楽に対してすごく真面目だから決してブレないし。パーティーのオーガナイズとかもそれまでに何をしてきたのかが大事で、無名のDJと超人気なDJが同じ音をかけたってフロアの盛り上がりが違うし、そのDJが今までのキャリアを賭けてかける1曲と、始めたてのDJが昨日レコ屋で買ってかけた1曲とは絶対に違うから、それは一朝一夕では生まれない。しっかりシーン作りをしてきているからこそ今に至っているんですよね。

>では最後に、今後の展開について聞かせてください。
12月12日に札幌の『TOWER RECORDS』でkuniさんとnaohito uchiyamaのインストアライブ、13日に東京・代官山の『combine』でリリースパーティーがあるのでぜひ遊びに来てください!


PROVO
音楽が好きで、良い音楽の鳴る方に導かれるように進んだり集まったりしていると、音楽はいつも新しい発見や出会い、そして楽しみを与えてくれる。音楽に誘われて、たくさんの最高の瞬間に出会えたり、朝から晩まで好きな音楽を聴いて幸せな気持ちで過ごせたり、誰かのお祝いに音楽を捧げたり、国や言語を超えたり、音楽のチカラはとても大きく、そして暖かい。『SYNAPSE』とは音楽に感謝して、音楽でつながった仲間と面白い試みによって、さらに音楽でつながっていこうとする意識・アクション。
ウェブサイト http://www.provo.jp


SYNAPSE compilation『emergence』
アンビエント、生バンド、ダンスミュージック…音楽都市札幌で日々繰り広げられる、北の8組のライフスタイルと、雪の様にピュアな創造力の産物=音楽による対話から創出された、2009年冬決定盤。今やベルリンやニューヨークをはじめとする世界の音楽シーンに絶大な人気を誇るkoss aka kuniyukiや、前作で改めて圧倒的な存在感と余韻を残したNaohito Uchiyamaの新作を含む、11曲収録の72分。世界流通がスタートした気鋭のレーベル”SYNAPSE”の2作目がいよいよリリース!ダンスミュージックの聖地、札幌で活動する新鋭クリエイターが会したコンピレーション作品が登場!!Naohito Uchiyamaの新曲やKUNIYUKIのKOSS名義トラックを始め全て新曲を収録した美しく新たな息吹を感じさせる一枚!!

<収録曲>
01. Takaaki suzuki / Elysion
02. Birdcage / old melody
03. Naohito Uchiyama + Birdcage / Corona
04. Koss (A.K.A. KUNIYUKI TAKAHASHI) / forest dub chapter 1
05. katsuhiko / the line
06. qodibop / Yellow Corner
07. Takaaki Suzuki / Necromancer
08. Birdcage / menou
09. Naohito Uchiyama / big dipper
10. Rebel Musical / one day
11. olololop / mon
*Columbia Sportswear F / W09 「Nature Travel」テーマ曲


December,2009



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