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美術館『札幌芸術の森美術館』(札幌市)


住所 北海道札幌市南区芸術の森2丁目75番地
営業時間 9:45〜17:00(入館は16:30まで)
電話 011-592-5111
料金 一般¥600(¥540) / 中学生以下無料
※( )内は高校生以上の人数が20名以上の団体料金
ウェブサイト http://www.mocas.jp(『札幌芸術の森美術館』)
ウェブサイト http://www.artpark.or.jp(『札幌芸術の森』)

複合文化施設『札幌芸術の森』の中核施設。芸術の森美術館では、近現代彫刻の流れや現代美術の動向、札幌の美術等を紹介する企画展を随時開催。野外美術館は、ダニ・カラヴァンの大規模な作品の他、グスタフ・ヴィーゲランや新宮晋、飯田善國、李禹煥など国内外を代表する作家の立体造形74点を広大な敷地に常設展示。札幌芸術の森園内の野外ステージでは音楽祭も開催されている。





インタビュー(August,2007)
樋泉 綾子 / 『札幌芸術の森美術館』学芸員

>まずは美術館の紹介をお願いします。

1986年にオープンして以来、昨年で20周年記念を迎えました。当時は全国的にもすごく珍しい美術館で、お手本となっているのが箱根の『彫刻の森美術館』なのですが、そこは日本で初めての野外美術館で、お姉さん的存在になっています。この野外美術館の大きな特色としては、ブロンズや鋳造による作品は同じものが何体も作れるのですが、こちらにある作品はすでに出来上がっている作品を持ってきたのではなく、日本や世界を代表する作家達に実際にこの現場へ訪れていただき、まわりの地形や気候などをの景観を見てもらってから、ここへふさわしい作品を作っていただいているオーダーメイドになっています。すべての作品ではありませんが、大部分の作品がそうして作られています。

>地元作家の作品も積極的に展示されています。
本郷新や山内壮夫も札幌ゆかりの作家ですし、砂澤ビッキはアイヌの彫刻家です。砂澤ビッキの「四つの風」は、展示作品で木造作品がこの作品しかないんですね。野外にさらしていると雨や風や雪などの影響をどうしても受けてしまうのですが、砂澤ビッキは木彫の作家でもあるし、自然の影響を受けて変化していくことも作品の一部だと考えていらっしゃるので、あえて自然の樹木を作品に使用されています。やはり当初とは様相も変化していて、腐ってきてしまっている部分もあったり、キノコが生えてきたり、キツツキがつついたりという、そういった自然による変化も含めてひとつの作品になっています。

>自然や生きることを考えさせられる作品です。美術館の見どころについて聞かせてください。
1997年に完成したイスラエルの彫刻家ダニ・カラヴァンの「隠された庭への道」という作品は、作品を単体として作るのではなく、まわりの環境を整えた作品作りをすることで知られた作家で、この野外美術館の作品の中でも一番大きな作品になっています。”自然と人”がテーマになっているのですが、門をくぐるところから森の中の小さな庭へと至るまで、全長300メートルに渡る道ゆきなっています。

>ランドスケープともいえる壮大で美しい作品です。
自然を取り入れた7つの要素を持つ作品なのですが、その要素を巡り歩くことで自然というものを改めて意識し、新たな目で見直すことができるというコンセプトになっています。例えば、「丘」では大地を改めて意識したり、「日時計の広場」では太陽の光に改めて気付かされます。「水路」はダニ・カラヴァンの故郷のイスラエルでは生命の象徴でもあるので、水というのはとても大切な要素になっています。「円錐」は中へ入ることができますが、中には氷室があって札幌に降った雪が閉じ込めてあります。円錐では音が聞こえてきます。その音はこのまわりの森の中にマイクが仕掛けてあって、拾った音をこの中で増幅させているのですが、森や雨の音だったり、マイクが巣箱のようになっているので、その中に鳥が巣を作ったりしていたりと、そういう自然の音を聴くことができるようになっています。最後は「隠された庭への道」という林の中の空間に入って、今度は自分自身の力で自然を感じてみようという空間になっています。作品は四角い白い造型になっていますが、ダニ・カラヴァンが来札した時に雪で真っ白な札幌のイメージというのが鮮烈にあったようで、この地形も生かされていますし、札幌の雪も反映されていますので、この土地にしかない作品と言えます。

>札幌の風土そのものが作品として表現されているんですね。作品の見せ方などで特に気を使われている部分は?
野外で作品を自然のままに展示しているためにどうしても傷んでしまいますので、その修復をしながらお客様に最高の状態で見ていただけるよう気を配っています。

>では最後に、美術館を通じて感じて欲しいことは?
一番の魅力は、自然の中で自然の美しさとともに彫刻を楽しめるということです。野外にあるということで季節によってその風景が変わってきます。春には桜が咲くし、秋には紅葉が綺麗ですし、冬には真っ白な雪で覆われてしまったりと、季節ごとによって作品の見え方も変わりますので、四季折々の見方が楽しめるのも魅力のひとつです。あとは、美術館の展示作品は触ってはいけないというのが一般的ですけれども、この野外美術館ではそういうことがほとんどありません。例えば、福田繁雄の「椅子になって休もう」という作品はヒザの上に座って休むことができますし、作品を自由に触ったり、作品と一緒に写真を撮ったり、作品と親しんで身近に感じていただける空間になっていると思います。いつ来ても作品達がここで待っていてくれています。

>子供達が楽しそうに遊んでいる姿が印象的です。美術に触れる良いきっかけになりそうですね。


text Pilot Publishing / photograph Kei Furuse(studio k2)
August,2007




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