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Guest 北海道を訪れた今を輝くゲストのスペシャルインタビュー


ミュージシャン【SA】


世代や国境をも飛び越え、日本を代表するパンクバンドとして確固たる地位を築き上げた《SA》!結成30年を越え、現メンバーで14年目へ突入するも、いまだ衰えなど知らず、バンドが放つ輝きはさらに増していく!




インタビュー(March,2015)

TAISEI(Vo)
NAOKI(Gt)



>札幌を代表する《SLANG》や《怒髪天》とも交流があるそうですね!

TAISEI:《SLANG》のKOちゃんは、彼のやっているライブハウス『COUNTER ACTION』にも出たことがあるし、一緒にイベントへ出させてもらったりもしてますね。彼達は札幌のバンドシーンを長年引っ張ってきていて尊敬しているし、世代も近いのもあって、音楽に対しての美意識を共有できます。《怒髪天》も、境遇的にシンパシーを感じるんですよ。やっぱり長く生きていると、挫折も経験するだろうし、悔しいことや夢を掴み損ねたこともあっただろうし、その中でやり続けている人のカッコよさってあるじゃないですか。それが傷のなめ合いじゃなく、叱咤激励というか、オレもやるからオマエもやろうぜって、互いに励まし合いながら前へ進んでいける仲間ですね。
NAOKI:覚悟が決まったヤツらとは、心のどこかで必ずつながるんですよね。

>《SA》のサウンドは聴きやすく、今の若者にも新鮮に映ると思います。
TAISEI:オレ達が好きだった70’sロック、《Sex Pistols》や《The Clash》は今も変わらず好きだし、何も色褪せないけれど、ずっと音楽を続けていく中で、彼達の音楽をコピーすることはないです。単純にそれを真似するだけではかなわないし、いろんな音楽に感銘や影響を受けて、そういうものを自分なりのフィルターを通して表現したものが、自分達の音楽なんですよね。今回の作品も、やっぱりパンクロックが好きじゃないと絶対にできないし、それは狙ってもできないんですよ。作る音楽に嘘をついてはダメで、自分達がカッコいいと思うものを作るだけですね。
NAOKI:最初の初期衝動や興奮とか根っこは残しながらも、オレ達は日本人なわけで。もちろん子供の頃に聴いてきた昭和歌謡とかにも感銘を受けてきたし、それは細胞のひとつとして、すべてひっくるめて自分達流に消化しながら表現しているんですよね。それでもオレ達はパンクバンドだと胸を張って言いたいし、プライドとして持っています。

>今年4月にリリースされた『BRING IT ON!』は、どのような作品に仕上がりましたか?
TAISEI:これまでいろんな表現に挑戦し続けてきた中で、どこを切っても《SA》だという音楽でありたいと思っていて。ファニーで、暑苦しくて、力強い部分もあるし、なおかつキャッチーで聴きやすくて、歌いやすくて。ひとつ漠然と思っていたのが、難解なものはやめようって。自分達で考えるシャレオツなものはいらない、なんか無骨でドカドカしてて、それでいてあったかくて優しい音楽。
NAOKI:変に斜めからみて、風刺を入れるとか、今回そんなのはいらない。本当に心の底から伝えたい想いや言葉をまとめて音楽にしました。

>現メンバーで14年間も一線を走り続けられているのは素晴らしいです。
NAOKI:初老の襲来はスゴいですよ、初老ナメんなよみたいな(笑)。
TAISEI:20代ってマグレがあるんですよ。でも、30代は本当に一生懸命頑張らないと、良い40代はこないですね。今はマグレで売れたかもしれないけど、30代でどうすんの?って。解散して金無くなって、再結成してという末路になるでしょうね。オレが正しいことを言っているとは限らないけれど、オレ達は本当に頑張りましたもん。オレ達はカッコいいことやる、上に行くみたいな想いでずっとやり続けてこられたから自信になっていますよね。もちろん挫折や壁はありましたけど、それを別に超えなくても良いわけじゃないですか、諦めたっていいじゃないですか。でも、諦めない方がオレ達は格好いいと思ったんですよね。ただ惰性で続けるのではなくて、やるからには結果を残したいし、新しい世界も見てみたいし、安い言い方をすれば売れたいしね。売れたいというのは、せっかく音楽をやっているんだから、多くの人に聴いてもらいたいんですよね。

>売れたいですか?それとも、モテたいですか(笑)?
TAISEI:モテるんですよ(笑)。
NAOKI:結局、男の評価って人それぞれだし、今の若い子はどうなのかはわからないけど、オレ達は覚悟を決めて、がむしゃらにやってるし、ひとつのことに人生をかけている。それが、オレ達の表情や表現に出てるかどうかだから。だから、モテたいって前のめりな気持ちはもう無いし、めっちゃ金欲しいって浮ついた気持ちも無い。でも、自分達の音楽を正直に追求してやっているから、結果はおのずとついてくると思っているんですよね。

>逆境や苦難をどのように乗り越えられてきましたか?
NAOKI:個人的に、歳をとるって体が衰退していくことでもあって、心が折れそうになった時に体が健康じゃなかったら、乗り越えられないんですよ。健全な肉体にしか、健全な精神は宿らないから。だから、オレ達はちゃんとトレーニングもしているし、これまで大した病にもかからずにきてるんですよ、大酒飲みのくせに(笑)。健康に気をつけているとか、添加物が入っているからこれは飲まないとか、そういうんじゃないですよ、自分達の肉体にムチ打ってるだけだから。でも、そういう努力もしないと精神が付いてこないのは当たり前で、病気したら夢なんか語ってられないですから。じゃなかったら、昔から変わらない28インチのジーパンなんて穿いてないよ(笑)。
TAISEI:これだけ走っていても、ライブやったらヘトヘトだもん。でもやりきってヘトヘトだから、こんなに気持ちいいことない。不器用なので、こんなもんかって抜くことができないバンドなので。
NAOKI:全力でいかないと自分の心と体が満足しないの、ドMなところがあるね(笑)。そうじゃないと伝えきれないものもあるし、行き切った先に見えるものがある気がするから。オレ達は生きているってことを見せたい。生きるって楽しいですよ。まだまだもっと先に行けるってわかるんですよね。だったら行くしかねえだろって。

>長年の活動を経て、現時点でロックをどのように捉えられていますか?
TAISEI:ロックってカッコいいものなんですよね。カッコいいもので、カッコいい人が歌って、ギター弾いて、飛んだり跳ねたりして、ロックと呼ばれる日本のシーンの中で、単純だけどそれがカッコよかった時代があって。今はカッコよさの種類が違ってきているのかもしれないけど、昔のミュージシャンには目力があったし、目で訴えかけていたところがあった。今は、みんなまっすぐ見てない気がするんですよね、目と目を合わせていないというか。
NAOKI:そういう人達が豊かさから出てきたわけじゃないし、オレ達の先代はもっとツラいところから這い上がってきているからね。オレ達もまだ金髪でロックというのがまだあまりいなかった時代だから。今は顔が見えない音楽というか、情報や機材とかすべてに満たされた時代に生まれた音楽ですよ。それが良いとか悪いとかではないし、それも音楽のひとつかもしれないけれど、オレ達は違うぜって言いたい。やっぱりロックって魂が聴こえますから。その人の息づかいや緊張感とか、人生すべてが音に込められているんですよね。


「SA BRING IT ON TOUR」
2015年6月5日(金)@札幌『BESSIE HALL』

「SA BRING IT ON FINAL」
2015年7月11日(土)@東京『日比谷野外大音楽堂』



『BRING IT ON!』
《初回限定盤》 CD+DVD
PAC-009 / ¥2,300(税別)



【SA】
1984年、TAISEI(Vo)を中心に結成。1987年に一度解散するも、1999年にTAISEIソロプロジェクトとして再始動を果たす。それを機に2002年に最強の布陣である現メンバーが揃い、精力的な活動を開始する。SA生誕30年を越え、現メンバーで14年目へと突入。
オフィシャルサイト:http://sa-web.jp



text:Pilot Publishing
March,2015




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